JICA海外協力隊の世界日記

コロンビア共和国便り

#8 「金」:コロンビアから見た日本【青少年活動/伏見新之介】

 こんにちは。ボゴタに青少年活動で派遣されている伏見新之介です。今回のテーマは「金」です。

 配属先のロスアンデス大学日本センターでは、さまざまなイベントが行われています。前回の日記でも書きましたが、そうしたイベントを通して、日本について学び直しています。参加者は、もちろん99.9パーセントがコロンビア人です。参加者の皆さんに交じって、一緒に日本について勉強します。コロンビアで生まれ育った人の目に「日本」がどう映るのかを知ることができるので、この時間はとても好きです。

 これまでの9か月の中で、とても印象に残っている「金継ぎコース」を紹介します。このコースでは、金継ぎの技術だけでなく、歴史や哲学についても合わせて教えていただきました。コロンビア人の先生方は、日本に留学して本場の金継ぎを学んできた、すごい方々です。

 金継ぎを通して、禅の「わびさび」を学びました。「不完全さ」や「何も無い」ものの中に美しさを見つけるこの精神性は、コロンビアの皆さんにはどんな風に映ったのでしょうか。

 先生方によると、西洋の影響を色濃く受けた国では「無」を怖いと感じる方もいるそうです。キリスト教の世界観では「無」は死後の世界と結びついているのだとか。(「何も無い」に慣れていないコロンビア人だからこそ、深夜までにぎやかに過ごすことが好きなのでしょうか。私の勝手な予想です。)

 また、参加者の中には、心を癒す拠り所を見つけられたと言っている方もいました。「仕事で忙しい世の中を生きる中で、他人と自分を比べて、自分の至らなさに失望することがある。でも、自分の内側に集中し、自分の不完全さを認めてあげたら、心が軽くなった。」こんな言葉を、私に伝えてくれました。

 確かに、金粉を混ぜた接着剤で割れてしまった器の破片をくっつけていく作業は、静かで、やさしく、ゆっくりとした時間が流れていきました。金で、時間や場所、人々など、あらゆるものをつなげられる、やさしい文化だと感じました。

 そういえば、コロンビアと日本に共通する「金」と言えば、皆さんは何を思い浮かべますか。実は、どちらの国にも、黄金の国としての伝説があるのです。日本には、大航海時代にマルコポーロが残したとされる「黄金の国ジパング」の記録があります(日本のことを示しているかどうかは諸説ありますが)。一方、コロンビアには「黄金郷エルドラド」の伝説が残っています。実際に、スペインから海を渡って金を採掘に来たという記録が残っているようです。

 ということでまとめです。今回金継ぎを通して、自国の文化だけではなく、コロンビア人の人となりの一部にも触れることができました。金継ぎは、コロンビアの皆さんと時間や場所、それから心を共有できるチャンスを私にくれました。私の活動はコロンビアに日本を発信し続けることです。活動を通して、金継ぎのように、日本とコロンビアの関係を、より強くて、そして美しいものにしていけたらと思います。

2024年度3次隊 コロンビア 青少年活動 伏見新之介

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