JICA海外協力隊の世界日記

コロンビア共和国便り

環境教育/コロンビア日記11(2年間の振り返り)

こんにちは。
コロンビア共和国に環境教育の隊員として派遣中の、三井貴博です。
冒頭の写真にあるSan Gil市(サンヒル市)における2年間の活動を終え、数日後に本帰国します。
最後の日記となる今回は、この2年間の活動を通じて得た多くの気付きの中から、一部をまとめたいと思います。


1. きっかけ作りを意識した2年間

配属先である学校現場のごみ問題や、植わっている植物の少なさに関して、問題意識を持つ同僚は着任時から多くいました。
しかし私が着任するまでの期間で、問題解決に向けた具体的な行動には至っていませんでした。
そこで私は、環境教育の専門知識を伝えること以上に、当事者たちの重い腰を上げるきっかけ作りを意識して活動してきました。
実際に変化を起こそうと試行錯誤する中で、いくつかの気付きがありました。


2. 活動を通した気付き

(1) 計画と実行の間にある小さな溝のこと

ある職員会議で、生徒と教職員が週に2回のごみ拾いを行う計画を立てました。
しかし当日、集合場所には誰一人来ず、事前に準備すると決めていたごみ袋すら用意されていませんでした。
この活動は組織として決めたことなのですが、仕組みを作るだけでは人は動かないということを痛感しました。
日本で当たり前とされる計画から実行への流れは、高度な組織文化の上に成り立っています。
その違いを理解し、活動の意義や具体的な計画内容を何度も丁寧に確認し続ける過程が、重要だったのではないかと気付かされました。

(2) 自信が自立を促すこと

緑化の活動(詳しくは日記4)でそばの栽培を選んだ主な理由は、管理の手間が少なく、美しい花が長期間咲くからです。
「そば」というきっかけを示すことで、配属先の人々が、これならば自分たちでもできると自信を持てるようにすることを目指していました。
実際、授業後に余った種子を生徒や教職員たちが持ち帰り、自宅でもそばを用いた緑化に主体的に取り組む様子がとても多く見られました。
授業で教えたことを自分事として捉えて、それを周囲に波及させていくことは、期待以上の行動変容でした。
これがこの配属先における、理想的な緑化の技術移転の形なのではないかと気付かされました。

(3) 支援の成功が依存にも繋がること

私が環境教育の授業や実習を行えば、学校は一時的に綺麗になります。
しかしそのままでは、日本人がやってくれるという外部への依存が生じ、配属先の人々の当事者意識を薄れさせてしまいます。
この危機感を持ってからは、学習指導案の配布や模擬授業、授業見学の促進にも力を入れて取り組みました。
帰国した後も、自分たちの力で継続できる基盤を配属先に残すことの重要性に、改めて気付かされました。


3. 今後について

私は秋田県職員の現職参加という形でJICA海外協力隊になりました。
帰国後は再び、秋田県の仕事に戻ります。
特に上記「2. (1)」の気付きは、今後の自分への戒めとして書き残すことにしました。
計画を立てても、実行力を伴わずに形骸化していくというリスクは、コロンビアに限らず存在し得ると思います。

・これは本当に実行可能な計画なのか?
・関係者の間で手順や物品の共有がされているのか?
・相手の立場に立った具体的な指示ができているのか?

コロンビアで考えたこれらのことは、今後の教訓にしていきたいと思っています。

混沌とした状況でも前を向き続け、泥臭さを肯定しながら過ごした2年間でした。
この経験を糧に、これからは秋田県の課題に粘り強く取り組んでいきます。

長文の日記ばかりでしたが、これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。


過去の記事
 環境教育/コロンビア日記1(任地紹介)
 環境教育/コロンビア日記2(1年目の活動紹介)
 環境教育/コロンビア日記3(任地の人々との交流)
 環境教育/コロンビア日記4(2年目途中までの活動紹介-1)
 環境教育/コロンビア日記5(2年目途中までの活動紹介-2)
 環境教育/コロンビア日記6(2年目途中までの活動紹介-3)
 環境教育/コロンビア日記7(配属先の学校における教育環境)
 環境教育/コロンビア日記8(2年目途中までの活動紹介-4)
 環境教育/コロンビア日記9(2年間の心理的な適応度の振り返り)
 環境教育/コロンビア日記10(うちわのプレゼント)

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