2024/11/30 Sat
人 生活
地方での生活(ご近所力)
地方都市ディキルと書くと大都市みたいに思いますが、ディキル州内の人口は6万6千人、市内はその半分以下ですからすごくちっこい町です。首都のジブチ市に人口が集中しているこの国では、ジブチ市を除く5州はいずれもこんな感じで小さな町です。
今回は地方隊員が生活していく上で欠かせないご近所さんについて書いてもらいました。
タイトルと関係ないディキルの写真(笑)
ディキル生活に欠かせないご近所力
地方都市のディキルでは、水道が整備されていない家も多く、クーラーや冷蔵庫を持っていない家も多いです。今はなくなっていますが、コロナ前までは2日に1度の計画断水もおこなわれていたそうです。
家まで水を引いていない家では道端の水道栓にホースをつないで貯水タンクに水を貯めています。近所の水道栓まで水が来ていないことも多く、ご近所それぞれのホースをつないで少し離れた場所から水を引いていたりもします。
停電も頻回に起こります。長い停電になると、家の中よりも外のほうが涼しいのでみんな外に出てきておしゃべりしながら待っています。
お隣に油を借りたり、ほうきを借りたり、小さい子供を預けて用事に出かけたり、そういうことが当たり前に行われていて、ご近所同士助け合いながら暮らしているという感じがします。
家族同士のつながりが強いディキルでは、お母さんや子供が入院したら、おばあちゃんやおばさんがほかの子供たちの面倒をみたり食事の世話をしたりするのが普通です。(こちらでは基本的に男性は家事をしていません。水汲みも女性か子供がします)
先日ご近所に赤ちゃんが仲間入りしました。
私は運よく出産に立ち会うことができたのですが、いざ出産というときに停電し、ほの暗い蓄電式電灯の明かりの中で誕生しました。しかし、この赤ちゃんの家族は核家族で近くに親戚も住んでいません。ということで、出産のために病院に付き添い、食事の準備をしたのはご近所さんたちでした。退院後も、かわいい赤ちゃんの顔見がてら子供たちが家の掃除を手伝いに行ったり、近所の人がご飯を作ったり、お水を貯めてあげたりとサポート体制ばっちり。ワンオペ育児で疲れ果てているお母さんがたくさんいる日本に比べて生活の不便さはありますが、人間の温かさにあふれています。私も近所の皆さんに支えられて暮らしています。
日本がなくしてしまった大切なものがここでの暮らしには残っている気がします。
雨の後に川の様子を見に行く子供たち
イードの朝のお祈り独立記念日のお祭り近所のお家にお預かりされている子ども
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