JICA海外協力隊の世界日記

ドミニカ共和国便り

教育とリアルな生活のギャップ 〜環境教育隊員の出張授業から〜(#4 小坂けいと/観光)

私の配属先団体は、地域の人々が自らの手で環境を守りながら観光による経済的な発展を目指す「コミュニティー・ベースド・ツーリズム」を促進すべく創られました。カヤックなど川のアクティビティを提供するツアー会社を擁するとともに、環境保全活動も行っています。

これまでゴミ拾いや植林のイベントを行ってきたものの最近はあまり取り組めていないという話を聞き、ドミ共第二の都市サンティアゴの複数の学校にて廃棄物処理についての授業を行っている先輩隊員に出張授業に来てもらうことにしました。

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(左:対話を交えながら授業を進める田中隊員、右:あいさつだけ精一杯の私)

午前と午後で1校ずつ、まずは町の中心にある学校へ。1219歳までの300名近い全校生徒が食堂に集まります。私の配属先には、本職が教師のメンバーが複数名おり、いつも軽やかな雰囲気の彼らが真剣な表情で生徒たちをまとめ上げる姿に惚れ惚れしながら授業がスタート。

主な内容はゴミの捨て方によって環境にどのような影響を及ぼすかと、環境保全のために今すぐ実践できることについて。年齢を問わず、3R(リデュース、リユース、リサイクル)や分別に関する知識はしっかりと頭に入っているようで、生徒たちは田中隊員の問いかけにもよく応じており、自分ごとに捉えながら積極的に話を聞いている様子が窺えました。

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授業後は食堂で給食をいただきながら、生徒たちと歓談。食後の授業はなんとリサイクルについてのエキシビションとのことで少し見学させてもらうことに。授業であってもイベントといえばダンスから始まるのがドミ共ならでは。ゴミ袋や雑誌を再利用して作ったドレスのファッションショーの用意を横目に、1校目を後にしました。

次は町の中心から少し離れた学校へ。15歳以上の高学年の生徒約30名を対象に落ち着いた雰囲気の中で授業が行われました。

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生徒たちの横に並んで授業を聞きながら考えていたのは、彼らが学校で習うことと実際の生活は大きく乖離しているということ。訪問した学校をはじめとして町の中には2種類のゴミ箱がセットになって置いてありますが、その多くに分別の概念は機能しておらず、一重に“ゴミが混ざり合って捨てられているのが現実です。

分別をした方がいいことは知っている。しかしながら、この国の焼却システムは基本的には全ての種類の廃棄物が同じ処分場で焼却されます。最終的に一緒くたになって燃やされるのなら分別したって意味がない、と思うのは当然です。

近年、使用済みペットボトルを再利用のために有償で引き取る団体や、プラスチック専用の焼却炉も少しずつできてきているようですが、分別が当たり前になるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

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日本では当たり前に分別をする生活を過ごしてきたけれども、小学校の頃にゴミの焼却炉の見学に行ったり、公害の歴史を学んだり、無意識のように思えて実は少しずつ学んできたのかもね、などと田中隊員と話しながらも、何かわかりやすいメリットを感じられないことにはポイ捨てや分別への意識は変わらないだろうなと考えていました。

そこで思い出したのが、ドイツで見たデポジット制度。ちょっと前の日本でも飲み終わった瓶を酒屋に持っていけばお小遣い程度の返金があったように、ドイツにはプファンドというデポジット型のリサイクルの仕組みがあります。対応しているペットボトルや空き缶には専用のマークがついていて、スーパーなどに設置されている機械に入れると1本あたり0.25ユーロ(45円!) がその場で返金されます。知らずにただ捨ててしまってはもったいない。リサイクルせずにはいられません。

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(前職の出張時に訪れた、ドイツはケルンのスーパーにて)

このような制度は、環境先進国ドイツだけでなくヨーロッパを中心として多くの国で導入されています。どの国も産業化、工業化の過程で多くの環境問題に直面し、それらを改善するための策として生み出され、だからこそ住民の理解を伴ってシステムが活きているのだと思います。

ドミニカ共和国はまさに今スピードに乗って発展している最中。そしてまたこの町も観光で大きく飛躍していく未来を描いていますが、いずれ町の発展の担い手となる今日の生徒たちが大人になった頃、引き続き自分たちが住む町の環境を想ってくれていることを願います。

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