2025/10/07 Tue
文化 歴史
No. 30 ¡¡緑の魔境・アマゾンの先住民族を追う!!


こんにちは。下水道隊員の早川です。
日本には四季の移ろいがありますが、こちらでは木々がピンクに染まって散ることも、燃えるように赤く染まることも、もの悲しくグレーに変わることもありません。
一年を通して目に飛び込んでくるのは、鮮やかな緑ばかり。
そんな季節のグラデーションとは無縁の、東京から14,500km以上離れた、大自然が広がるエクアドル東部アマゾン地域にあるパスタサ県のプヨという町で日々活動しています。
写真1. プヨ中心地にある7部族のモニュメント
プヨ中心地にある先住民族のモニュメントは、このパスタサ県内に暮らす7つの部族を表しています。今回はその7部族のご紹介をします。
写真2. 左からキチュア族、シュワル族、サパラ族、アチュアル族の女性像
キチュア族は大地を愛する農耕民で、バナナ、コーヒー、カカオなどを栽培し、女性は陶芸などの手仕事を行います。
シャーマンは癒しの役割を持ち、口神酒のような発酵飲料「チチャ」を楽しむ習慣もあります。
シュワル族はかつて首狩りで知られた戦士の民族。刈った首は装飾品に加工されていたといいます(もちろん現在は禁止)。
また、シャーマンは見えない呪いを操ると信じられているそうです。
サパラ族はアマゾン最小クラスの部族ですが、文化はユネスコ認定の無形文化遺産。
詩的な言語を持ち、シャーマンが狩猟や治療の指針を与えます。
訪問にはアマゾン奥地への旅が必要で、県内移動で飛行機を使います。
アチュアル族は「夢の民」として知られています。
毎朝4時に起きてグワユサ茶を飲みながら家族と夜の夢を語り合うそうです。
また、森を熟知し薬草に精通して自然と調和した生活を送っています。
写真3. 左からアンドア族、シウィアル族、ワオラニ族の女性像
アンドア族は混血や同化で文化が消滅寸前となり、2012年に話者が死亡し、言語が失われました。
しかし、若い世代や研究者と共に復興に挑み、自らの辞書「Kupukwano」を出版するなど絶滅言語の保存に取り組んでいます。
シウィアル族は、森や川あらゆる場所に精霊が宿ると信じ、伝統的な歌を通して豊魚を祈ります。
シャーマンが儀式を行った後、数日間の断食や禁欲生活を行うそうです。
ワオラニ族は現在も隔絶した生活を営み、日常的に裸で過ごす文化が残っているそうです。
祭りは飲み物が尽きるまで続き、その間誰も眠ることは許されないそうです。(だいたい二日間続くらしい)。
写真4. 先住民のコミュニティの様子
写真5. 訪問した先住民族の文化体験
(葉の樹液を鼻からすする。精神を落ち着かせる効果があるらしいがかなり痛い。)
これまでに三つのコミュニティを訪れ、そのたびに、自然と人との繋がりやその奥に潜む神秘さと生活がおりなす世界観に触れてきました。
あわせて、遠い日本ともどこか精神的に通じるものを感じ、ふと小泉八雲氏が日本で抱いた感覚に似ているように思い、過去の紀行作家と心が響きあうような静かな嬉しさを覚えました。
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