JICA海外協力隊の世界日記

エクアドル便り

No. 23 チョコレートに未来を託して

日本人がエクアドルと聞いて思い浮かべるのは何でしょうか?
多分バナナでしょう。スーパーの入口横に山積されたバナナを。

実は一番の輸出品は原油。次に、エビ、カカオ、バナナと続き、一次産品が多くを占めています。

カカオは、エクアドルが原産国であることが証明され、ガーナに次いで世界3位の輸出国です。特に高品質カカオでは世界最大級のシェアを占め、フローラルな香りとフルーティーな風味が特徴とのこと。

そこで今、期待を集めているのが、この高品質カカオを使ったチョコレート。日本ではあまり馴染みのないエクアドル産チョコですが、今世紀に入ってから、PaccariやTo’akと言ったメーカーが次々と設立され、国際賞を総なめにしているのです。

有名ブランドは、高級店や空港免税店に商品を置くだけでなく、旧市街の一等地にも店舗を構え、その「チョコレート作り体験コース」は、なかなか予約が取れない人気ツアーとなりました。

右下の写真は、エクアドルで一番高いチョコレートと言われているTo’ak。50グラムで、なんと7万円ほど。

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申し遅れましたが、私はキト市観光局で観光開発を担当する藤倉栄人です。

エクアドルは、コロンビアとペルーという麻薬大国に挟まれ、ギャング抗争の煽りで観光客が激減、新しい目玉事業で起死回生をはかっていますが、私はチョコレートも目玉になると考えています。

下の写真は、ヨーロッパで新人賞を取った新進のチョコレートです。これからのエクアドルチョコレート界を牽引する逸材と言われ、街歩きツアーでは最後に訪れる店になっています。その妖艶な色彩と形状はもはや芸術。食べるのが憚られます(価格のせいもあるけど…)。

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更に、日本人も大活躍しており、ブランドを立ち上げ、チョコの原点であるタブレット(板チョコ)で数々の国際賞を獲得、日本ではオンラインのほか、多くのデパートで催事販売されています!

JICAもカカオ専門家を派遣し、チョコレート産業を盛り上げようと、強力な協力体制を敷いています。

ある日、JICAの専門家と日本人起業家の会話を聞いていたら、質問を振られた。
「××社の△△△はいいですね。香りはやや乾いた藁を想像しますが、口に含むとブルーベリーを思わせ、次にシトラスの味が浮かび、最後はバジルの余韻が漂う。すごく味わい深い。藤倉さんはどこのチョコが気に入っていますか?」

「私は断然、明治のキノコの山ですね。中のクッキーとのコラボ感が絶妙で、初めから最後までしっかり甘くて…」

それ以後、どうも話が合わないような...

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