2025/05/28 Wed
活動
No. 22 遺跡と博物館♪、そして考古学・・・


¡Hola!、Zenny(愛称セニー、佐藤剛・さとうつよし)です☆。ぼくはエクアドルのコスタ地域にあるオハス・ハボンシージョ丘陵考古学博物館で、学芸員として活動しています。派遣前は(公財)北海道埋蔵文化財センターで発掘調査などを行っていて、いまは現職派遣中です。
エクアドルの遺跡と博物館、そして考古学の魅力がすこしでも伝わったらうれしいです♪。
遺跡って、みなさんは行ったことがありますか?遺跡は古い時代の人々が生活した場所のことで、建物跡や使った道具などが残されています。日本では国内に約47万か所あり、実はみなさんの身近の、どこにでもあります。ぜひ近くの遺跡にも遊びに行ってみてくださいね。
エクアドルの遺跡の特徴は、見つかっている数は少ないものの、ひとつひとつの面積が広く、それぞれの時代の幅が大きいことです
ぼくの活動している博物館(写真左)が保護している、オハス・ハボンシージョ丘陵遺跡(写真右奥)は、山のように見える丘陵すべてが遺跡で、なんと3600ha(東京ドーム760個分以上!!)もあります。遺跡に行くと、復元した建物や井戸などを見学することができます。
博物館には、遺跡を調査した際の出土品がたくさん展示してあります。そのなかでもU字形をした石の椅子(写真左Silla “U”)は、地域を治めた権力者たちの象徴と考えられています。博物館のあるマナビ県ではバスや壁などにも描かれ、地域でとても親しまれています。
また2024年4月には、博物館に大きな地震に備えるための免震展示台(写真右)と免震棚が、日本の無償資金協力により贈与されました(2016年4月に大地震があり、多くの被害が発生したため)。日本の防災技術は、ここエクアドルでも大きく生かされています。
日本の考古学での経験は、博物館でのボランティア活動にとても役立っています。
エクアドルと日本の博物館で大きく異なるのは、ここでは「学芸員」職種があまりメジャーではないことです。なぜなら、博物館の多岐に渡る業務は、博物館を所管する研究所の「考古学者」や「人類学者」、「建築家」、「修復家」などの、それぞれの専門家が行うからです。
そのため日本ではあまり呼ばれ慣れていませんが、ぼくも一人の「考古学者」(笑)として悪戦苦闘しながら、考古学的な調査(見出し写真)や周辺遺跡の散策路整備(写真左)、小学生向けの日本語ワークショップ(写真右)などの活動を行っています。
JICA北海道で現地レポートを書いているので、詳しくはそちらを見てくれると、とても幸せです。
2023年度3次隊 エクアドル/学芸員 佐藤剛さん | 日本国内での取り組み - JICA
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