2026/11/05 Thu
高齢者介護隊員/20代もいる高齢者施設って?【作業療法士 フィジー スバ暮らし】

■職 種:高齢者介護
■配属先:社会保護省 ゴールデンエイジホーム・スバ(4代目)
■隊 次:2025年度2次隊(2025/12~2027/12)
Bula!(ブラ=こんにちは)フィジーで高齢者介護隊員として活動しています。
今日はフィジーの介護施設って日本と同じなの?違うの?というお話をしたいと思います!
※個人情報保護の関係でイメージイラスト多めです
※写真などは外部リンクのニュース記事をご確認ください
※曇り空の写真しかないのはスバ市なのでご容赦ください
1.高齢者施設だけど?
日本は超高齢化社会を迎えています。
2026年現在
日本の人口は約1億2千万人。
国内の65歳以上の人口は3,624万人。約3.4人に1人(約29%)が高齢者です。
一方、フィジーも高齢化が徐々に徐々に進行中。
フィジーの人口は約93万人。先日60歳以上の人口が9万人を超えたと報じられました。
約10人に1人、人口のおよそ10%が高齢者に!
フィジーでは60歳以上が高齢者と呼ばれていて、平均寿命は67歳です。
【参考記事:人口90,000人以上が60歳以上に!/フィジーサン】
フィジーでも長寿化や家族構成の変化が進み、高齢者をどう支えるかが課題になっています。
私はフィジーの首都スバ市サマンブラ地区にある
国立高齢者施設ゴールデンエイジホーム・スバで活動しています。
主なミッションは現地の介護士さんたちと一緒に、入居者さんの生活を安全で豊かにすることです。
▼外観
▼施設敷地内 フィジーでよくみられる高床式の平屋

※実際の配置とは多少異なります
みなさんの考える高齢者介護とはどんな仕事でしょう?
施設ってどんなところだと思いますか?
日本なら、
・70代、80代、90代の高齢者さんが暮らしていて、最高齢は100歳!
・食事、入浴、着替えや身支度、車いすでの移動を手伝ってもらう
・身の回りのことは何でも介護士さんがしてくれる
・レクリエーションでゲームをしている
・衣食住は万全 いつもエアコンで快適な室内
・大規模なホームに何十人も住んでいて、常に満杯で入居待ち
・それぞれの疾患などに合わせて小規模なホームに住んでいる
・入居費用が高そう。
なんてイメージがありますか?
フィジーのここゴールデンエイジホーム・スバではどうかというと
・利用者は現在49名。本来は定員35名・・・ニーズが高まり定員オーバー!
・男女半々
・インド系フィジー人 9割
(フィジーにはイタウケイ(原住フィジー系)とインド系住民が6:4くらいの比率で住んでます)
・最年少は20代!30、40、50代だけで3分の1
・3分の2は60歳以上。 最高齢は80歳代
・半数以上が精神疾患の既往がある
・利用料フィジー国民なら無料!
・高齢になって体が弱ってきた人、障害がある人、精神疾患、知的障害、発達障害 みんな一緒に生活
・大部屋に全員で住んでいる。仕切りはカーテンのみ(国内の病院も同じスタイル)
・築80年超
・水道水は飲める!でも水圧が弱く時々断水。
・時々停電。 配線が悪く時々スパーク。
・エアコン無し!雨季の最高気温は30度越え。
・福祉用具(介護用ベッドや車いす)は寄付頼みで、よく故障。それをそのまま使う。
▼故障しているけど使える 衝撃の車いす タイヤはどこですか?
▼断水するのに大雨が降ると浸水もする。味のある施設 築80年超
介護業務は日本と同様、食事、入浴、着替えや身支度、移動補助ですが、
生活習慣も設備も大きく異なるフィジーの施設。
暮らしの中でもフィジーらしさを感じます。
▼食事
若い方が多いので、食事などは自分で食べられる方がほとんど。
インド系の入居者が多いため、食事はほぼ毎日カレー。
手で食べる。
なお、手洗いは食後にします。 ・・・食前は?

▼入浴
お風呂はシャワー(手桶)を併用 1日2回
なんと朝4時から! 早すぎる
▼トイレ
水洗で洋式。トイレ誘導なし!ペーパーもなし
トイレ誘導はしなくていいんですか?!これは今でも疑問です。
ここは介護施設ですが、出来る人は自分のことは自分でする!という方針です

みんなの使う部屋にモップをかけたり、
厨房の野菜の下ごしらえを手伝ったり、
洗濯したら、 出来る人は干すのを手伝ってあげることも。
ちなみに洗濯機はありますが、みなさん手洗い派。
困ったときは助け合い、
ケレケレ(=ちょっとよろしく)文化のフィジー
お互い様!でできることをしてあげているようです
子だくさんで大家族。隣近所を気にかけるという価値観が
施設の中でも自然とみられるんですね。
高齢者施設といっても、国が変われば暮らしの様子も全く違うんですね。

2.ところでなぜ20代が高齢者施設に?
高齢者施設といいつつも、世代を超えた人々が入所されているこの施設ですが、
どうしてこんなにも幅広い年代の方が、一つの場所に集まっているのでしょうか。
これはこの施設の成り立ちに関わってきます。
この施設は省庁によって作られたもので、設立の目標として
「虐待・ネグレクト・遺棄(abandon)された人に施設でのケアを提供する」があります。
フィジーは日本のような介護保険制度や障害者支援制度がなく、
伝統的に家族介護が中心。
家族の介護が難しくなったとき、こうした虐待などのトラブルに発展しやすいそう。
また家族が遠方に住んでいて介護できない!というのもよく聞かれます。
これはフィジーならではですが、遠方=海外(オーストラリア・ニュージーランド)ということも。
フィジーの公用語は英語なので、そのまま海外に仕事を求めて移住する方も多いんですね。
そのため国立の介護施設がその受け皿として大きな役割を担っています。
そしてなんといっても利用料無料!
「入所させたい!」という家族から問い合わせが急増中。
実際に相談に来る場面に何度も遭遇しました。
なんと入居待ちも。
【参考記事:定員超えで運用中 ゴールデンエイジホーム・スバ(サマンブラ)/フィジーサン】
結果的に、
世代を超え、そして疾患の違いに捕らわれない
ある意味インクルーシブな環境が誕生しました。
実際、
若い方が、高齢の方のできない家事を助けたり、
高齢の方が、落ち着かない若い方の様子を見守って居たり
ひとつの大きな家族・共同体になっています。
時々「それは介護士の仕事では?!」と思うこともありますが。
3.高齢者介護隊員とはいうものの
私の職種・要請内容は「高齢者介護」でしたが、
高齢期だけでなく、多様な背景を持った、幅広い年代の方を対象にすることになりました。
これは来てから判明しました。
「来てみたら要請内容と違った!」は協力隊でよく聞く話ですが、
「来てみたら対象が増えていた!」ということにびっくり。
もちろん日本でも関わったことのないケースもあります。
そしてインド系入居者9割
障害などで、みんなが公教育で英語を学べたわけではありません
つまりヒンディー語が必要なんですね。
しかもフィジー訛りのヒンディー語なんですね
訓練所は英語でした!!
現地語の訓練ありません!(フィジー隊員は現地入りしてから語学訓練はありません/2026年現在)
周りの介護士に助けてもらいながらなんとかやり取りしています。
言語も文化にも不慣れながらも、
「高齢者だから、この病気だから何をするか」ではなく、
「この人は、ここでどう暮らしたいのか」を考える。
これって日本でやってきたことと同じじゃないかな?
と気持ちを切り替えて
助け合って生活しているフィジーの高齢者の
素敵な部分を活かして
みんなが幸せで活動的な毎日になるように
できることをやる!
というのが目下の目標です!
それではまた次回
Moce(モゼ=さよなら)
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