JICA海外協力隊の世界日記

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グアテマラ便り

2024/09/02 Mon

任地言語

＃2　活動先の任地について①　―地理的概要、現地のマヤ語「ツトゥヒル語」とは（マーケティング/坂野晴子）

¡Hola！（スペイン語で「やあ、こんにちは！」の意）

みなさん、こんにちは！

マーケティング隊員の坂野晴子です。

ここからは、私の活動する任地「サンティアゴ・アティトラン市」についてご紹介していこうと思います！

サンティアゴ・アティトラン市は魅力でいっぱいの場所なので、いくつかシリーズに分けて情報をお届けできればと思います。

今回は、地理的・言語的側面からお伝えしていきますね！

サンティアゴ・アティトラン市はグアテマラ西部にあるソロラ県に属し、「世界で一番美しい湖」と称されるアティトラン湖南岸の入り組んだ湾内に位置しています。東にトリマン火山(3158m)、南にアティトラン火山(3535m)、湾の対岸にサン・ペドロ火山(3020m)という3つの3000メートル級の火山がそびえたっています。

サン＝テグジュペリによる小説『星の王子様』に登場する「象を飲み込んだうわばみの絵」のモデルにもなった「セロ・デ・オロ」までがサンティアゴ・アティトラン市の管轄で、実はソロラ県の県庁所在地であるソロラ市（159.8km²）よりも面積は少し大きく（167.7km²）、アティトラン湖周辺の市町村の中で一番人口が多い地域です（約5万人）。また、唯一地名に「アティトラン」の名が入ることでも知られています。

住民は主にマヤの先住民族の一族であるツトゥヒル族で、ツトゥヒル語を話します。ツトゥヒル語はUNESCOの危機に瀕する言語と認定され、消滅危険度評価では「危険」に分類されています（6段階中のレベル3）。

グアテマラは多民族国家であり、22の言語集団に分かれるマヤ系先住民（41.7％）、ラディーノ（欧州系と先住民の混血）・欧州系（56％）が大半を占めています。その他にもガリフナ族（アフリカ系先住民）とシンカ（非マヤ系先住民）（2.3％）が暮らしています（2018年、国勢調査）。

22種類のマヤ語は語群によって似ている単語などもあるものの、それぞれに全く違う言語で、同じマヤ族とは言っても他の言語を操る民族の人が何を言っているかは理解できないそうです。

マヤ語に属するツトゥヒル語は、ソロラ県の6つの町（サンティアゴ・アティトラン、サン・ペドロ・ラ・ラグナ、サン・フアン・ラ・ラグナ、サン・パブロ・ラ・ラグナ、サンタ・クララ・ラグナ、サンタ・マリア・ビシタシオン、サン・ルーカス・トリマン）とスチテペケス県の2つの町（チカカオ、サン・ミゲル・パナン）で話されています。同じツトゥヒル語内でも方言が存在するようで、お隣のサンペドロ・ラ・ラグナとも全然違い、サンティアゴ・アティトランのツトゥヒル語は特に早口だと言われています。

ちなみに、スペイン語でグアテマラ人を意味する単語は男性なら「Guatemalteco（グアテマルテコ）」、女性なら「Guatemalteca（グアテマルテカ）」ですが、どこの出身かを表す呼び方は各市町村によって異なります。サンティアゴ・アティトラン出身の人たちのことは、男性なら「Atiteco（アティテコ）」、女性なら「Atiteca(アティテカ)」と呼んでいます。

これまで約1年半以上、町中のあちらこちらでツトゥヒル語が飛び交う環境でアティテコ・アティテカの皆様方と一緒に過ごしてきましたが、残念ながら未だにツトゥヒル語はほんの少ししか理解できません。配属先の同僚同士の会話もツトゥヒル語であり、私と会話する時にだけスペイン語を話してくれます。そんな環境下にいるので、配属された当初は「スペイン語を覚えるよりツトゥヒル語を話せるようになったほうが良いのでは？」と思ったほどで、少しずつ教えてもらっていました。しかし、ツトゥヒル語は想像以上に難しく、文字さえ正しく発音することできなかったので、ツトゥヒル語マスターへの道は泣く泣く諦めました。。。

ここで、私が習得したツトゥヒル語の一部をご紹介します。