2025/08/31 Sun
コミュニティ開発 植林 活動 自然
シェラ暮らし② カンテルの高地に未来を植える(コミュニティ開発/前島玲美)


Hola!(オラ!)こんにちは。
シェラでコミュニティ開発隊員として活動している前島玲美です。
今回は、配属先のプロジェクトの一つであるカンテル市での植林活動についてご紹介します。


【カンテルでの植林活動】
現在私の配属先では、ケツァルテナンゴ県内で3か所(カンテル市・スニル市・オリンテペケ市)にて植林プロジェクトを進めており、今回私はカンテル市での活動に参加しました。
当日は、同僚6人、市役所の職員、先生や学生たちを含めた35人が参加しました。クワや植え穴をつくる器具を使い、15〜20cmほどの穴を掘って苗木を植え、雨で流されないように土を固めます。苗木は針葉樹と広葉樹の2種類。3〜5mの間隔をあけ、丁寧に並べていきました。地面は乾燥した藁に覆われ、歩くだけでも転びそうな足場。傾斜地ではさらに慎重さが必要でしたが、学生たちと声を掛け合いながら、一つひとつの作業を大切に進め、約3時間半で750本程の苗木を植えることができました。
【高地に広がるグアテマラの原風景】
タオル生産で知られる工場が立ち並ぶカンテル市街地から高地へ上がると、景色は一変します。目の前に広がるのは、トウモロコシ、ソラマメ、菜の花の畑。なかでも日本の田んぼのように、グアテマラではトウモロコシ畑が暮らしを支えています。 トウモロコシ粉をこね、丸く平たく焼いたトルティーヤは、日本のご飯と同じくらい欠かせない主食です。背丈を超えるほど育ったトウモロコシ畑の景色に、グアテマラらしさを強く感じました。
*写真手前が菜の花、奥がトウモロコシ、右手がソラマメの畑です。
【学生たちの前向きな姿】
印象的だったのは、学生たちの行動でした。苗木の根を包んでいた黒いビニール袋を見つけると、『せっかく環境を良くする活動だから』と拾い上げる学生の姿、決められた本数以上に「もっと植えたい」と取り組む姿。丘のあちこちから大きな声で名前を呼び合い、互いを鼓舞する姿はとても力強く、楽しげでした。情熱を注いで植え切った苗木を見つめ、誇らしげに笑う表情からは、「自分たちの手で未来の大地をつくっているんだ」という確かな手応えと希望が伝わってきました。
【プロジェクトの意義】
この植林活動は、CO₂吸収や土砂災害の防止、水資源の保全など、さまざまな目的のもと市役所と共に進められている取り組みです。数年後、数十年後、この斜面いっぱいに木々が立ち並ぶ姿を想像すると、大きな意義と可能性を感じます。
【グアテマラの大地に残す一歩】
グアテマラで暮らしはじめて9か月。グアテマラの人々に温かく支えてもらい日々を過ごす中で、私自身もこの大地に小さな貢献ができたことを嬉しく思います。
「いつかまた、この木々が大きく育った姿を見たい」
そう願いながら、これからも植林活動に関わり、より多くの人たちと共に森を育てていきたいです。
Feliz día! (フェリス ディア!)素敵な1日を!
SHARE