JICA海外協力隊の世界日記

ホンジュラス便り

「レンピーラの日」 #大仲遥 #感染症・エイズ対策

¡Hola Buenos días! (スペイン語でおはようございます)
はじめまして。ホンジュラスで海外協力隊として活動している大仲遥です。
私はホンジュラスの西に位置するレンピーラ県グラシアス市で生活しています。
30分歩けば一周できるくらいの小さな街ですが、景色や気候、人々もとても素敵でお気に入りの任地です。
ご存知の方も多いと思いますが、スペイン語で「グラシアス」は「ありがとう」を意味します。
今日はそんなありがとうの街グラシアスよりお祭りの様子を紹介したいと思います。

7月20日、レンピーラ祭りが開催されました。
レンピーラとはホンジュラスの通貨にもなっている、ホンジュラスを代表する偉人の名前です。
ホンジュラス西部の先住民族であるレンカ族の首長であり、16世紀に侵略してきたスペイン人と戦った戦士だそうです。
私の住む県の名前にもなっています。
グラシアスの中心部の公園には上の写真のようなレンピーラの銅像が建てられています。
そんなレンピーラが亡くなったのが7月20日と言われており、盛大にパレードやコンサートが行われます。

パレードでは、学校のクラスや町ごとにグループに分かれ様々な衣装を着てメインストリートを歩きます。
伝統舞踊であるフォルクロリコの衣装、太陽や月のプリンセス、農民や先住民族の仮装など色鮮かでユニーク、そしてユーモアもあり見ごたえがありました。
そんな中で、特に注目を浴びるのは「India Bonita」と呼ばれる衣装です。
フリーホーレス(豆)やトウモロコシ、バナナの葉、鳥の羽などの天然由来の素材だけで作られており、とても美しいです。

これは、「India Bonita」の衣装のコンテストの写真です。
とても華美な装飾で細かい部分もこだわって作られており、創造性の豊かさに驚きました。
ちなみにグランプリは真ん中の衣装の子でした。彼女が登場した時から会場の盛り上がりがすごかったです。
この衣装は天然の素材であるが故、保存ができず、翌年にはまた一から作り直すのだそうです。
それを聞いたときは、もったいない!と思ってしまいました。
しかし毎年作ることで、作り方を学ぶ人も増え、新たなデザインや工夫もなされ、今の形になっているのだと納得しました。
来年は制作過程もぜひ見てみたいです。

その他にもレンピーラが活躍する寸劇や音楽コンサート、闘牛、夜通し続くダンスパーティーなども行われ大盛り上がりでした。

また、このお祭りの中でよく目にし、耳にした言葉が 「Identidad Nacional」 です。
直訳すると「ナショナルアイデンティティ」です。
この言葉の通り、こうしたお祭りを通じて子供たちはホンジュラスの民族や伝統、歴史を学び、継承していくのだそうです。
お祭りは文化や歴史と非常に関連していて、とても興味深く感じました。

同僚や街で合う人たちは、よく 「ホンジュラスは好き?グラシアスは好き?」 と質問してくれます。
「好きだ」と言うととても喜んでくれます。
ホンジュラスの人たちを見ていると自国愛や誇りをとても感じます。
幼い頃からこうしたお祭りを楽しむことで、自然と文化や歴史を学びナショナルアイデンティティを培っているのだと考えさせられました。
私も日々ホンジュラスの生活や文化を楽しみつつ、こちらの人たちに日本のことも伝えられればと思っています。

それではこの辺で。
¡Nos vemos! (スペイン語でまたね)

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