JICA海外協力隊の世界日記

キルギス共和国便り

【動画】JICA海外協力隊×合気道×キルギス -ロシア語での指導"言葉と体の使い方"-

ソンクル湖畔にて

Здравствуйте!=ズドラーストヴィーチェ(ロシア語で「こんにちは」!)

キルギス共和国で合気道を教えている矢口です。
皆さんは合気道をご存じでしょうか。合気道はおよそ100年前に**植芝盛平**翁によって創始された武道で、現在では世界約140か国に普及しています。

さて、今回のタイトルは「言葉と体の使い方」です。
皆さんは体を動かすとき、その動作をどのような言葉で表現するでしょうか。

例えば体操のように名称が決まっている動作であれば、「側転する」「倒立する」といった表現になります。
一方で名称がない場合には、「背中を伸ばす」「腕に力を入れる」といった言い方をすると思います。

私は日本で稽古をしていた頃、この“言葉と動作の関係”を意識することはほとんどありませんでした。しかしキルギスでロシア語を使って稽古を行うようになり、その関係性に強い興味を持つようになりました。

今回は、私が特に印象に残った2点について紹介します。

................................。。。。。…   。。。........魚のポーズ

1.動作名が動物?!

他のスポーツと同じように、合気道の稽古前には必ず準備運動を行います。
その準備運動の動作名がとても特徴的で、多くが動物の名前になっています。

例えば、倒立から腹ばいに移行する動きは「Рыбка(魚)」、
お腹を上に向けて四つ足で歩く動きは「Муравей(蟻)」、
両方の踵を合わせて座る姿勢は「Бабочка(蝶)」と呼ばれます。

日本では「倒立」「胡坐」など固有の名称があるため、最初に聞いたときは聞き間違えたのかと思いました。
しかしよく考えてみると、インドのヨガや中国武術にも動物の名前が付いたポーズや型があります。
もしかすると、動作を説明する際には動物の名前を用いる方が世界的には一般的なのかもしれません。

.練習風景

2.「力を入れる」感覚の違い

皆さんは「腕に力を入れてください」と言われたらどうしますか。
多くの日本人は腕を曲げると思います。

しかしキルギスでは、多くの方が腕を伸ばします。
同じ「力を入れる」という言葉でも、ここまで動作が異なるとは思っておらず、最初はとても驚きました。

また稽古を通じて、キルギスでは「腿」という言葉が股関節付近を指す場合があることも知りました。

武道に限らず、体を動かす活動において言葉だけで動作を伝えることは非常に難しいものです。
そして言語や文化、身体感覚が異なると、その難しさはさらに大きくなると実感しました。

サーカス前にて.jpg

.....................。。。。。。。。。。…。..….................サーカス前にて

おわりに

キルギスでの指導を通じて、「言葉は単なる説明ではなく、体の使い方そのものに影響を与えるもの」だと感じるようになりました。
今後も言葉と身体の関係を意識しながら、より分かりやすく、安全に稽古を伝えていきたいと思います。

(矢口 颯、合気道、2024年11月~)

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