2026/10/28 Wed
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マラウイで見つけた特別な時間

名前:藤倉 莉々子 隊次:2025年9次隊 職種:青少年活動 配属先:ンコマ教師研修センター
マラウイでの生活も、残すところあと1か月となりました。
今回は少し個人的なお話をさせていただきたいと思います。
私は日本で演劇に携わる仕事をしていました。しかし、自分の限界を感じ、この先どのように生きていけばよいのか悩んでいた時に出会ったのが青年海外協力隊でした。
大学時代に一度訪れ、人生で最も大きな学びを得た国であるマラウイ。再びこの地で学びたいという思いを抱いていましたが、今振り返ると、日本での現実から少し距離を置き、何かに夢中になれる時間を求めていたのかもしれません。
大きな不安と、少しの期待を抱えて始まったマラウイでの生活。しかし、その日々は私に数え切れないほどの「気づき」を与えてくれました。
日本では当たり前だったことが、ここでは決して当たり前ではありません。マーケットで一人買い物をすること。停電の中で料理をすること。地域の人たちに自分から挨拶をすること。
活動先の小学校では、先生方と英語で話し、子どもたちとはチチェワ語でコミュニケーションを取る毎日です。
赴任当初は、その一つひとつに緊張し、不安で胸がいっぱいになることもありました。それでも少しずつ経験を重ねるうちに、いつの間にかそれらが日常になっていました。
ふとした瞬間に、「あれ、私できるようになっている」と気づく。その小さな発見の積み重ねが、自分自身への自信につながっていったように思います。
また、学校で授業を行う中で、人前に立つことや誰かに何かを伝えることがやはり好きなのだと改めて感じました。そして、これまでの人生で培ってきた経験や学びは決して無駄ではなく、自分の中にしっかりと積み重なっていたことにも気づきました。
マラウイでの3か月は、新しいことを学ぶ時間であると同時に、日本で諦めかけていた自分自身の一部を再発見する時間でもあったように思います。
(Expressive Artsという表現科目で子どもたちとダンスをしている時。みんなダンスが大好きでノリノリです!)
日々の小さなチャレンジは、私にたくさんの「できる」を教えてくれました。
一方で、マラウイでの生活が与えてくれたのは、それだけではありません。
マラウイでは、とてもゆったりとした時間が流れています。
常に何かに追われていた日本での感覚が抜けず、赴任当初は何かに従事していない時間に罪悪感や焦りを感じることもありました。
時刻表はなく、ミニバスは満員になるまで発車しません。人々の歩くペースもゆっくりです。予定どおりに物事が進まないことも珍しくありません。
また、家事の多くは手作業のため、日本で暮らしていた頃よりもずっと時間がかかります。
効率や便利さを追い求めていた日本での生活とは、まったく異なる時間の流れがここにはありました。
けれど今では、それもすっかり日常です。
いつの間にか身についた「まあ、いっか」という感覚に何度も助けられ、以前より肩の力を抜いて過ごせるようになりました。
ゆっくり時間をかけて作るご飯のおいしさ。
夕焼けの美しさ。月明かりの明るさ。
停電の夜に見上げた満天の星空。
(人生で初めて天の川を見た時の感動は、今でも忘れられません。)
マーケットで名前を覚えて声をかけてくれるおばあちゃん。
任地のンコマで毎日のように見かける子ヤギやサル、牛や鶏たち。
以前なら見過ごしていたかもしれない何気ない風景や出来事が、今では私を幸せな気持ちにしてくれます。

(ンコマ山中間地点から見た朝日)
時間の余裕は、心の余裕でもありました。
マラウイでの生活を通して、身の回りにある小さな幸せに気づける瞬間が増えたように感じています。
日々の小さなチャレンジは新しい自信を与えてくれました。そして、ゆるやかに流れる時間は、自分自身と向き合い、その経験や気づきをじっくりと自分の中に落とし込む機会を与えてくれました。
さらに、帰国後に挑戦してみたいことも見つかりました。
日本での生活に迷いを感じていた私が飛び込んだマラウイ。
ここで過ごした時間は、多くの人との出会いと学びに恵まれ、自分らしさや幸せの形を改めて見つめ直すことができた、かけがえのない時間だったと思います。
そんなマラウイでの生活も、残りわずかです。
一日一日を大切に、この特別な時間を最後まで味わい尽くしたいと思います。
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