JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ便り

マラウイの子どもたちが描く"私のまちと環境問題"

名 前:纐纈真菜
隊 次:2024年1次隊
職 種:環境教育
配属先:Lilongwe City Council
出身地:東京都

みなさんはじめまして^^
首都リロングウェ市役所の保健サービス部廃棄物管理課で、市内の衛生環境の改善に取り組んでいる纐纈です。
気づけば、マラウイに赴任してから早くも1年が経とうとしています。
今回は、これまでの活動を通して見えてきたマラウイのごみ事情と、私の取り組みの一部をご紹介し、最後にイベントの告知もさせてください!
私の派遣の背景には、リロングウェ市の急激な人口増加によりごみ収集が追いつかず、廃棄物が適切に処理されていないという現状があります。
2024年12月時点で、市内のごみ収集率は38%(推定)と非常に低く、焼却炉も整備されていないため、ごみは分別されることなくオープンダンプサイトにそのまま投棄されています。

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トップの写真と共に実際のダンプサイトの様子

ダンプサイトを定期的に視察していますが、マスクなしでは耐えられないほどの悪臭、大量のハエ、自然発火による煙、そしてゴミ山から売れるものを黙々と探すウェイストピッカーの人々…。初めて訪れたときの衝撃は今でも忘れられません。
「ここで、一人のボランティアとして自分に何ができるのだろう…」
そう思いながら、ただ立ち尽くすことしかできませんでした。
街中を歩いていても、ミニバスに乗っていても、老若男女問わず、道端にぽいっとごみを捨てる様子をよく目にします。「開ける→食べる→捨てる」が、まるで一連の動作として定着しているようです。「なんと自然な流れ技でしょう」とある意味感心すると同時に、最初はイライラも募りました。
しかし、視点を変えて考えてみると、時代の流れとともに「ごみの質」が変わっただけなのかもしれません。大量生産・大量消費の時代、自然分解できないプラスチックが主流となり、従来の「捨てても自然に還る」ごみとは違う現実が広がっています。
適切なごみ教育がなければ、人々の行動が変わらないのも納得できるようになりました。
このような社会課題に対して、ごみの回収量を増やすことももちろん重要ですが、同時に「ごみに関する正しい知識の普及」といったソフト面でのアプローチも欠かせないと実感しています。
そんな折、JICAが2025年8月に開催予定のTICADのサイドイベントとして、アフリカ各国の環境問題に関する展示を企画していることを知りました。
「マラウイの小学生と一緒に環境問題を考え、行動のきっかけになるような機会にしたい!」
そんな思いで参加を決めたのが、「環境絵日記展」です!
今年のテーマは、私のまちと環境問題
私は、教育分野で活動する隊員が関わる2つの小学校にお邪魔し、同僚や現地隊員と協力して、計4日間のプログラムを実施しました。

【1日目】
7年生の表現科目のカリキュラムの中で「cross-cutting issue」を扱う授業にて、代表的な環境問題5つ(地球温暖化、干ばつ、水質汚染、大気汚染、ごみ問題)について、原因と影響を生徒たちとディスカッション。
その後、ごみ問題に焦点を当て、お手製の紙芝居を使いながら、「無機ごみは自然分解されないこと」「マイクロプラスチックが人体に悪影響を及ぼすこと」を伝えました。

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【2日目】
学校の周りのごみ拾いを行い、有機ごみと無機ごみの分別を体験しました。

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【3日目】
自分たちが最も関心を持った環境問題をテーマに、絵を描いてもらいました。
マラウイの小学校では1クラスに約100人もの生徒がいるため、画材も十分に行き渡らず、グループワークでの制作となりました。それでも、色鉛筆の取り合いで喧嘩することもなく、平和に完成させるのがマラウイの子どもたち。不思議です。
作品のオリジナリティを出すために、現地のどこでも入手可能なフードカラーで絵の具を
使ってみたり、実際に校庭に落ちていたごみを貼ったりもしました。

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【4日目】
完成した作品を発表する会を開催。絵のタイトルと説明文をグループで考えてもらい、表現科目の一環として音楽やダンスを交えながら、自由に発表してもらいました。
即興で環境啓発の歌やダンスを生み出す子どもたちの創造力には、ただただ圧倒されました。

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こうして完成した子どもたちの作品の一部が、JICA横浜にて1ヶ月間展示されます!!!
率直に「ぜひ会場に足を運んで、実際に作品を見ていただきたい!」という気持ちでいっぱいです。
マラウイだけでなく、他のアフリカ諸国の子どもたちの作品も展示されます。
作品を通じて、「アフリカの子どもたちが明るい未来のために、どんな環境問題に向き合い、どんな想いを込めて1つの絵に表現したのか」を感じ取っていただけたら幸いです。
マラウイという国が、少しでもみなさんの心に残りますように。


<< イベント詳細 >>
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【日時】2025年8月1日(金)〜8月28日(木)10:00〜18:00
【会場】JICA横浜 2階 回廊ギャラリー
    ※Web展示も公開予定
【主催】JICA地球環境部
【入館料】無料

【企画展示】「環境絵日記展2025」~アフリカの子どもたちが描く私のまちと環境問題 日本国内での取り組み - JICA

【企画展示】「環境絵日記展2025」開催のお知らせ Facebook

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