JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア便り

#33 活動報告!!~「移乗介助プロジェクト」で育む現場のスキルと自信~

「Selamat pagi !!(スラマッ・パギ!:おはよう)」

理学療法士の三井健司です。私の配属先である高齢者施設では、介護スタッフの多くが、専門的な介護の知識や技術を体系的に学ぶ機会がほとんどないまま現場に立っているという現状があります。 そのため、スタッフ自身の腰痛や、入居者さんのケガのリスクが常に隣り合わせです。そこで、現場の「安全かつ統一された移乗技術習得」の仕組み確立を目指し、新たな「移乗介助プロジェクト」を始動しました!!

1. プロジェクトの目的と継続的な研修システム

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本プロジェクトの目的は、スタッフ全員が同じ基準で「安全で無理のない移乗介助」を行えるようになることです。

一回きりの研修で終わらせず、確実に技術を定着させるために、以下のような仕組みを作りました:

週2回の開催(出勤スタッフ全員参加): 各寮で週2回研修を実施し、その日の午前・午後シフトのスタッフは原則全員参加としています。

最低3回の参加と試験: 技能のステップアップのため、各職員は最低3回の受講を必須としました。

チェックリストによる評価: 知識・技能のチェックリストを用いた実技試験を行いました。

修了書授与:基準をクリアしたスタッフには修了証を授与します。これが最も大事なことなのです(マレーシアらしさ)。

2. 実践的でステップアップできるプログラム

研修内容は、単なる座学ではなく、現場で「すぐ使える」ことを意識した3段階の構成にしています。

3.jpg① 身体力学(ボディメカニクス)の体験と解説: 「力任せ」ではなく、自分の体重移動や姿勢を利用することで、腰への負担を減らすコツを体感してもらいます。

② 職員同士での移乗実技研修: まずはスタッフ同士で「介助する側」と「介助される側」の両方を体験し、相手の不安や心地よいアプローチを学びます。

③ 入居者さんとの移乗実技研修: 実際の現場で、入居者さんの状態に合わせた個別的な介助の実践を行います。

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④ 【追加項目】寝たきり入居者さんの入浴ベッドへの移乗:これはスタッフから希望があって追加して実施しました。双方向で実施しているので意見が出てくると必ず仕組みに入れました。


3. モチベーションを高める「小さな工夫」

3回の研修を経てチェックリストに合格したスタッフには、表彰状のような修了証と、日本から持参したちょっとした粗品を手渡す仕組みを取り入れました!これらが予想以上にスタッフたちのモチベーションに繋がっています。試験では、合格を目指して真剣に練習に取り組む姿が見られました。


嬉しいことにすでに数名の合格者が誕生しました!修了証を手にしたときの誇らしげな笑顔を見ると、プロジェクトを立ち上げて本当に良かったと感じます。


最初は知識や経験がゼロだった現場でも、適切なサポートと「評価される仕組み」があれば、人は着実に成長し、自信を深めていきます。これからもスタッフ一人ひとりと向き合いながら、彼らが安全に、そして誇りを持って働ける環境づくりをサポートしていきたいと思います。

それでは皆さん、

”Jumpa lagi ‼(また会いましょう)”

三井健司(クアラクブバル・理学療法士)

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