JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア便り

#15 キナバル山登山記 ~天空の頂へ~

"アパ、カバー Apa Khabar ? (元気ですか?)"

障害児・者支援隊員の岡山眞一と理学療法士隊員の三井健司です。今回は二人で富士山よりも高い山『キナバル山』へ登山に行ってきましたのでそのレポートです。

さて、私たちは『なぜ登山をするのか?』その理由は下の写真をご覧ください。

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こんな理由があるなら「もう行くしかない!」、二人の意見は一致したので、いざキナバル山のあるボルネオ島へ出発です。


登山のアクセスと流れです。

①飛行機でキナバル山があるサバ州(ボルネオ島)へ

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 私たちの住むマレー半島のクアラルンプール空港からコタキナバル空港(サバ州)へは、1,600km、2時間半の道程です。この間には、ラオス、カンボジア、ベトナムがすっぽり入ってしまうくらい離れています。

②登山口(標高1800m超)からいよいよ登山開始

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 登山口はまだジャングルの様相ですが、頂上付近は一枚岩のような広々とした岩だけの世界です。この自然環境の変化も見どころ。この辺りのジャングルにはオランウータンは生息していないとのことで、残念です。

 


『ロニは3200mの山小屋まで草履で登る!?』

  何とガイドのロニは山小屋まで草履で登っていました。私たちは完全装備でストックをも使っているのに、現地の人々は逞しいです。しかし、さすがに山小屋から頂上にかけては、登山靴に履き替えていました。岩山の恐ろしさ、危険性を十分に認識しているので要所はしっかり押さえています。彼はポーターの仕事をしている20歳代から数十年登山しているのです。


③2日目の未明3時半に、山小屋を出発。頂上を目指す

 ヘッドライトを頼りに一歩一歩。目指す方向に目をやると、すでに出発した人たちのライトの光が転々と見えます。そのずっと頭の上には、さそり座等の星座が手に取れるくらい近くに見えます。きっと南十字星がどこかにあるはずです。上の方は岩山で一枚岩のように見えます。酸素も薄くて会話をすると頭痛がしてきます。ここで少しでも足を滑らせたら、体を受け止めてくれるものは無く、奈落の底まで落ちていく恐ろしさをも感じます。ロープを握り慎重に登っていきます。3800mの標識を見た時、『富士山を超えた』と日本人しか味わうことのない感動を覚えました。


④2番目のピークの山容の美しさと雲海

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  4095mの頂上はとても狭く、記念撮影したら、すぐに次の登山者に場所を譲らなければならないくらい人が集まります。少し降りた所が広々とした岩盤の上で、その向こうに雲海を背にした2番目のピークが素晴らしい景色です。「ボルネオ島すべてを覆い隠す雲海」と思えるほどの壮大さに感動を覚えました。


『現地のポーターの働きに感動と深い感謝』岡山隊員より

 私は富士山登山を経験していたから、物の運搬は機械やヘリが使われていると思っていました。キナバル山における人海戦術での運搬には驚くとともに、この作業が、地元の貴重な収入元であり、働きの場であることも感じました。登山靴でもない普通のスニーカーで、一歩一歩登る様、足元から目を逸らすこともなく、無口で集中している様は、修行僧の雰囲気を帯びている様にも思えました。彼らの働きにより私たち登山者は登山に集中することができるのだと休憩所で休んでいる時にふと気付くことができました。無事に下山できたのは彼らのお蔭でもあります。

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お読みいただきありがとうございました。それでは皆さん、

”ジュンパ、ラギ Jumpa lagi ‼(また会いしましょう)”

ヌグリスンビラン州スレンバン 障害児・者支援 岡山眞一

スランゴール州クアラ・クブ・バル 理学療法士 三井健司

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