JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア便り

#23 第9回アジア・オセアニアリハビリテーション医学会議へ参加

"Mengembalikan kebebasan(自由を再び手にする)"

理学療法士隊員の三井健司です。 2025年8月20日から23日にかけて、ペナン州でAOCPRM2025(第9回アジア・オセアニアリハビリテーション医学会議)が開催されました。今回は、日本でお世話になった知人が来訪し講演されることとなり、通訳のお手伝いを兼ねて4日間同行しました。

既存の医療・リハビリテーション領域に留まらず、AIやITテクノロジーを用いた機器の紹介が多かったのが印象的でした。日本ではまだ見られないような機器も多数展示されていたため、いくつかご紹介します。


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多様なアシストスーツと転倒防止技術

私が日本でも関わっていた歩行アシストスーツ分野は、驚くほど多くの種類が展示されていました。海外企業の参加も多く、日本で普段見ている機器とは、形や機能の違いが見られ、進歩の多様性を感じました。

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中には「ハッ」とするようなアイデア商品もありました。

  • 写真の左: 転倒した瞬間に車のエアバッグのようにジャケットが膨らむ転倒保護ウェアです。高齢社会においては、転倒を前提としたこのような商品は今後必要になるかもしれません。

  • 写真の右: 自転車のように操作できる電動車いすです。ハンドル部分を取り外すと、通常の車いすとしても使用できます。


工場や介護現場で働く方の足腰を強化し、年を重ねても長く働くことを支援する機器も多く見られました。試着の感想としては、動きに合わせて適切なアシストが加わるため、重いものを持ち上げる動作がとても楽に行えました。


より個別化していくリハビリテーション

リハビリテーションを受ける患者さんが動作に「慣れてしまう」ことは、効果を半減させる要因となります。 このプロジェクターを用いたリハビリ機器は、ライトを床に照らすことで、患者さんのその時の身体状態に合わせて難易度やデザインを自由に変えることができます。将来的には、このようなオーダーメイドなリハビリテーションが当たり前になっていくでしょう。


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日本の企業も参加しており、PERKESOという社会保障を管轄する政府機関が運営する最新のリハビリテーションセンターのスタッフが、日本の機器を使ったリハビリテーションを紹介していました。

海外のカンファレンスはとても敷居が高いようなイメージを持っていましたが、実際に行ってみると、そこにはリハビリテーションに対する熱量の高い人々が集まり、フレンドリーにお互いの情報交換をする場でした。今回の最大の収穫は、国内外の多くの医療・介護・福祉従事者と繋がれたことだと感じています。


お読みいただきありがとうございました。

”Teruskan usaha‼(努力を続けよう)”

スランゴール州クアラ・クブ・バル 理学療法士 三井健司

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