2026/02/13 Fri
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コンサートホールのない島で、音楽はどこまで届くのか

南の島・ミクロネシア連邦ポンペイ州。
この島で、音楽のボランティアとして暮らしています。小松あゆかです。
クリスマスの時期、島に長く住むアコーディオン奏者の方と一緒に、4日間にわたって町のあちこちで演奏をしました。
空港、通信会社、病院、スーパーマーケット――
いわゆる「コンサートホール」ではない、日常の風景の中です。
この島では、生の音楽に触れる機会は決して多くありません。
それでも、演奏を始めると、通りすがりの人が足を止め、
一緒に歌ったり、手拍子をしてくれたり、静かに耳を傾けてくれたりしました。
「音楽って、こんなふうに人の生活の中に自然に溶け込めるんだ」
そう実感できた時間でした。
特に心に残っているのは、空港の到着ロビーでの出来事です。
ハワイからの便が到着したとき、私の楽器をじっと見つめる小さな女の子がいました。
演奏が終わると、彼女はふっと、キラッと笑ってくれました。
言葉は交わしていません。
それでも、「何かが届いた」と確かに感じました。
音楽は、言葉や文化を越えて、そっと人の心に触れる力を持っている。
改めてそう思った瞬間でした。
ポンペイは高温多湿で、西洋楽器の管理がとても難しい土地です。
それでも、ウクレレやアコーディオン、ハーモニカ、リコーダーなど、
この場所でできる方法を考えながら、心を込めて音を届けました。
海外で暮らし、活動する中で感じるのは、
「特別なことをしなくてもいい」ということです。
立派な舞台や完璧な環境がなくても、
目の前の人に向き合い、今あるもので届けることはできる。
これからも私は、国境を越えて、
“目の前の人の心に届く音”を探し続けながら、
自分の音楽を磨いていきたいと思います。
音楽が、誰かの日常にそっと寄り添う瞬間を信じて。

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