2025/08/11 Mon
分科会 活動
協働してよりインパクトのある活動を【保健分科会/活動紹介】


¡Hola!(こんにちは)
2023年度1次隊、ニカラグア助産師隊員の野矢麻子です。
現在ニカラグアでは、着任したばかりのメンバーを含め、看護職の隊員が5人活躍しています(2025年8月時点)。それぞれの任地・配属先における個人としての活動に加えて、保健分科会としての活動も力を合わせて頑張っています。
そこで今回は、保健分科会とは何か?そして、どうして設立に至ったのか、の経緯をお伝えしたいと思います。
隊員任地のお産を待つ家(カサ・マテルナ)にて、妊婦を対象に産前教育を実施した場面
そもそも私の派遣形態は「グループ型派遣」でした。
「グループ型派遣」は、『分野理解の深化、講習会の質の向上、効果の波及が起こり、ノウハウの引き継ぎを含めた継続性が確保される。使いやすく汎用的、効果的な指導教材が開発され、関係者や関係施設で活用される。』ことが期待されている派遣形態です。
ニカラグアにおいては、特に母子保健を中心とした地域保健の充実と、生活習慣病予防や栄養改善等を実施している技術協力プロジェクトとの連携が期待されていました(2023年度ニカラグア国 JICA海外協力隊派遣計画より)。
・・・とはいっても、張り切って赴任した当初、看護職の隊員は私1人のみだったのでした。半年ほどして次々と到着し、合計3人になりました。
何か一緒に活動できたら良いなという思いを抱えながらも、その協働方法に迷っていたところ、クロスロードの特集号と他国の医療系隊員のSNSを通じて、分科会の存在を知りました。
早速、分科会の設立について看護職の隊員同士で相談したところ、すぐに合意し、以下の目的と背景を設定しました。


地方公立病院の妊産婦健康イベントにて、分科会ブース出展
目的: 保健分野に関連のある隊員の知識向上・情報共有・協働を通じて、 ニカラグアの保健医療の向上に貢献する。
背景:
①グループ型派遣の協働方法の一つ。
②ニカラグアにおける多様な保健分野の課題に対して協働して取り組むため。
③分科会内で情報や資料の共有を行うことで、限られた任期の中でより実践的で本格的な活動を実現できるため。
④同じテーマの悩みを持つ隊員同士の自由な意見交換により、新たな発想や知識獲得に繋がり、各々の任地への活動に還元できるため。
⑤隊員離任後も分科会としこれまでの情報や企画を保存し受け継ぐことができるため。
設立後は各任地からオンラインで会議を行い、大体四半期に一度の活動目標を設定して計画していきました。
どの隊員の任地も電波が悪かったため、通信状況に応じてオンライン会議に入ったり抜けたりを繰り返しながら、一生懸命に話し合ったのは良い思い出です。
慢性疾患国際フォーラムにて、分科会ブースで来場者に説明している場面
2024年7月の設立後、これまでに計6回の活動を実施してきました。
活動内容を大まかに分類すると、以下の4つの内容になります。
1. 隊員任地での活動:
・女性・妊産婦健康イベントへの参加; 見学、ブース出展、
待合室にて患者へ数種類の健康教育講話
・お産を待つ家(カサ・マテルナ)での妊婦に対する健康教育
2. 健康啓発活動: 日本祭りにて
・健康啓発ブース(身長・体重・BMI・血圧測定・健康指導)出展
3. 保健専門家とのコラボレーション:
・プロジェクト専門家主催、慢性疾患国際フォーラムにてブース
出展、同フォーラムにて各種医療施設見学、プロジェクト国内セミナー参加
4. 公立病院での活動:
・首都の公立病院で1日間の活動;
→ 妊婦クラス、母乳バンク意見交換、病院見学
・地方の公立病院で1週間の活動;
→産前産後、分娩室、NICUにて各種クラスと調査、医療者へのフィードバック
分娩室のケア観察、フィードバック
地方公立病院にて、産後の個別指導を実施している場面
日本祭りの来場者に、健康啓発活動をしている場面(身長・体重・BMI測定、数値に基づく簡単な健康指導)
どの活動も非常に多くの学びがあり、配属先外でコミュニティの対象者にアウトリーチするきっかけとなりました。また、複数人の専門職が協働することで、1人で実施するよりも大きなインパクトを持って活動をすることが出来るのが、分科会の醍醐味であると感じました。
これまでの分科会活動は対象にとって、また各隊員にとって非常に有意義なものになったと考えられます。見えた課題を改善して次回に活かし、今後のより良い分科会活動、また各隊員の任地における活動に繋げていく所存です。
各活動の詳細については、また別の記事で紹介していきたいと思います!
それでは、Hasta pronto.(またすぐにお会いしましょう)
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