2025/05/06 Tue
チョンタレスの魅力と活動の様子【助産師/執筆者自己紹介③】


¡Buenas tardes! ¡こんにちは!(¡Hola!よりも丁寧な言い方)
2023年3次隊 助産師の荻邑子(おぎさとこ)です。
チョンタレス保健管区事務所(日本でいう各都道府県の保健所)の保健サービス課で活動を始めて1年2か月が経ちました。
今回は【任地の魅力】と【活動の様子】についてお伝えします。


【任地の魅力】
ニカラグア中南部に位置するチョンタレス県は、放牧酪農が盛んです。そのため、乳製品や牛肉の名産地となっています。「クアハダ フレスカ」と呼ばれるフレッシュチーズは、ジューシーでさっぱりした味わいであり、「クレーマ」と呼ばれる、とろみのある生クリームのようなクリームは、濃厚な味わいです。これらは県外ではほとんど食べることができないですが、任地では毎日の食事に欠かせないものです。一方で牛肉は、高価なため主に輸出用として生産されており、タンやミノを中心に僅かながら日本へも輸出されています。牛舎を使用しない放牧畜産であるため、牛たちはストレスのない環境で、天然の食事を食べて成長しており、比較的脂身が少なく引き締まった良質な肉であることが特徴です。
また本県の特色である畜産業は、伝統行事でも著明に表れます。各市のお祭りでは、県内外から大量の馬や牛が集まり町中を練り歩く「イピコ」(上記写真)や闘牛が有名であり、非常に特徴的で迫力があります。任地の人々とともに暮らし、生活習慣や伝統行事を学ぶ中で、その土地の特徴や特産品は人々の生活に大きな影響を与えていることを実感します。私はすでにチョンタレスの土地や人々に魅了されています。


【活動の様子】
配属先は保健省が実施する保健・医療サービスを保健管区レベルで統括する機関で、県内 9 市・県外 1 市の保健センターや保健ポスト(兼一次医療機関)を統括し、住民の健康管理、健康データ収集と分析、予防啓発活動、医療サービスの無料提供、感染症等の監視、地域ボランティアを含む人材育成等を行います。保健サービス・公衆衛生・教育・統計・財務・会計などの部署があり、医師・看護師・会計士・事務など 約130人が働いています。
本保健管区の母子保健においては、妊娠合併症の悪化による早産率の高さと、早産児の新生児死亡が課題となっています。そこで、「地域コミュニティと各保健医療施設において、母子の健康増進につながる切れ目のない継続支援が実施される」ことを二年間の活動目標として設定しました。具体的には、①妊娠期ケアの向上、②新生児ケアの向上、③地域コミュニティと各保健医療施設における継続支援の強化に向けて、カサ・マテルナ(お産を待つ家)における妊婦への健康教育、保健センタースタッフへの講義、病院新生児科スタッフへの講義などを実施しています。
上記写真は、年に一度開催される研修会の様子で、各保健医療施設から代表看護師が集まります。私は、母乳育児と新生児の発育についてお話させていただきました。母子保健、小児保健、感染対策、救急など発表テーマは多岐にわたり、知識や経験の共有の場になるとともに、普段直接話す機会の少ない、地域看護師と病院看護師の交流の場になっており、非常に有意義な研修会です。
次回は、ニカラグア国内にいる医療職の協力隊員で立ち上げた、保健分科会の活動についてもお伝えしたいと思います。
¡Adiós! ¡さようなら!
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