JICA海外協力隊の世界日記

パラオ便り

まさに「人生なんて きっかけひとつ。」 40歳を過ぎて挑戦したパラオでの理科教育

「やるなら、このタイミングしかない!」そう思って40歳を過ぎてJICA海外協力隊への参加を決めました。

理科教育隊員の鈴木聡史です。現在、パラオのガッパン州にあるベラウモデクゲイスクールというハイスクールで、理科教育支援を行っています。今回は、私が海外協力隊に挑戦することになったきっかけと、パラオでの活動について紹介します。

私は学生時代から、海外留学や海外での経験に興味がありました。「海外に行ってみたい。知らない世界を見てみたい。」そんな思いはありましたが、家族の事情などもあり、なかなかタイミングが合わず、海外での経験をすることなく教員になりました。

教員になって数年が経った頃、JICA海外協力隊の「現職教員特別参加制度」の存在をたまたま知りました。「自分がこれまでやってきた教職の経験を、開発途上国で生かすことができる!」そう思い、海外協力隊への参加を考えました。しかし、その頃は家庭を持ち、子どももまだ小さい時期。家族のことを考え、挑戦を断念しました。それからも教員を続けていました。

そして約3年前、JICA海外協力隊の現職教員特別参加制度の案内を、たまたま再び目にしました。今度は、「教員としての現職の身分を保持したまま、JICA海外協力隊として参加できる。」ということを知りました。さらに調べてみると、開発途上国では理数系教育の要請が意外にも多いことが分かりました。「これまで自分が積み上げてきたことが生かせる。」そして、帰国後には海外協力隊での経験を、自分自身の体験として子どもたちに届けることもできる。そこで、ふと思いました。

「40歳を過ぎたけれど、教職も人生もまだ長い。やるなら、このタイミングしかない!」

思い切って応募しました。そして、まさか自分が40歳を過ぎて海外協力隊に参加することになるとは、当時は思ってもいませんでした。何がきっかけになるかは分かりません。長い人生、いろいろな経験をすることが大切だと思います。

私にとっては、心が動いたときが、決断のタイミングでした。

パラオで理科教育を

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私の所属するベラウモデクゲイスクールはハイスクールで日本でいう中学3年生から高校3年生までの4学年が通う全寮制の小規模な学校です。

校内には2年前に日本政府から寄付された理科実験室があり、私の任務は理科実験室の活用と継続的な利用の仕組み作りです。

派遣されてから1年間は物理の授業を持ちながら理科実験の教材開発や実施を行ってきました。

日本では主に高校物理を教えてきて、生徒には体験から学ぶことを大切にしてもらいたいと思い、探究活動などを行ってきました。

その経験が生かされる今の環境は本当に恵まれているなと実感しています。

実験に必要なものが簡単に手に入らず、こちらで手に入る空き缶や牛乳パックを使って実験道具を作ることもあります。

こちらで手に入るものを活用しながら工夫することも活動の面白さの一つです。

これまでの理科教育のノウハウが生かされ、さらに伸ばされることを実感しています。

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子どもたちの「ワクワク」をつくる

日本でもパラオでも子供たちは実験の授業を心待ちにしていて、目をキラキラと輝かせながら実験します。

「何が起こるんだろう?」「これってどういうこと?」

ワクワクが伝わってきます。

実験では、思った通りの結果になるとは限りません。だからこそ、「なぜだろう?」と考えたり、試行錯誤したりする。

私は、そういった体験を通して考える時間が、子どもたちにとって本当に大切だと思います。

子どもたちのそんな瞬間に立ち会うことができたとき、私もワクワクします。

子どもたちがワクワクしながら試行錯誤して考える時間を作りだして、それを残していけるように活動していきます。

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理科だけではない、パラオの学び

ベラウモデクゲイスクールでは、魚釣りや農業、ココナッツの葉などを使った伝統的な編物なども学びます。

学校の近くの教会では、村の人々がお祈りのために集まり、パラオの伝統料理を作ります。

学校の子ども達も準備を手伝いながらパラオの伝統文化について学ぶことができます。

私もお手伝いさせていただく機会があり、パラオの伝統文化を実際に体験することができています。

日々、パラオの方々に助けられて、優しく声をかけてもらいながら、トクベツな経験をさせていただいています。

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知らない世界を知るということ

パラオで生活し、活動する中で改めて感じることがあります。

自分が生きてきた世界なんかは狭くて、自分はまだまだ知らないことだらけだ。

知らない世界を知ることは面白いし、人生を豊かにしてくれる。

私にとって、海外協力隊への挑戦のきっかけは、学生時代に何となく抱いていた「海外を経験してみたい」「知らない世界を見てみたい」という思いでした。そして、長らく教員として働いた後、たまたま目に留まったJICA海外協力隊の現職教員特別参加制度の案内でした。自分の置かれている状況は、時々によって変わります。

「今が決断しどころなのか?」

迷うこともあると思います。年齢を重ねれば重ねるほど、さまざまな障壁が増えていくこともあります。だからこそ、私は「心が動いたとき」が決断するタイミングなのだと思っています。

たくさんの出会いが、これからの人生を豊かにする

私の家族は本当に理解があって、私のチャレンジに対して「面白そう」と好奇心を持って応援してくれました。本当に感謝しています。おかげでJICA海外協力隊としてパラオで活動し、たくさんの方と出会って、何物にも代えがたい貴重な経験を得ることができています。

JICA海外協力隊では同じ隊員としてパラオはもちろん、世界各地で活動している幅広い年代、様々な職種の仲間ができます。ときどき他の国の状況や活動の様子を知ることができることも、私にとっては貴重な経験で、私の視野をさらに広げてくれるこの出会いも私の大きな財産です。

「あのきっかけ、あの決断は間違っていなかった。」

私にとって、JICA海外協力隊への挑戦は、人生の中で何度か訪れた「きっかけ」を、今度こそつかんだものでした。JICA海外協力隊に参加して得られた多くの経験は私のこれからの教員人生、そして人生そのものを豊かにしてくれると確信しています。

JICA海外協力隊は、どんな職種であっても、どんな年代であっても、挑戦する価値のあるものだと思います。私自身、40歳過ぎてからの挑戦でした。

活動はまだまだ続きます。これからさらにどんなことが経験できるのか。

私自身もワクワクしながらパラオでの活動を続けていきたいと思います!

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