JICA海外協力隊の世界日記

パラオ便り

【イボバン実験室】無いものは自分たちで作ろう②(代用薬品)

Alii! 理科教育隊員の三浦です。

私の授業はいつも実験を主軸に授業計画を立てていますが、パラオは実験用の薬品が売っていません。
高校生レベルの実験になると、当たり前のように様々な薬品を使うのに…。

日本で暮らしていたときは、かなりの山奥で生活していて、買い物に行くことも大仕事だったのですが、それでも足をのばせば100円ショップはあるし、製薬会社に電話すれば薬品を届けてくれるし、それ以外は通販で買うことができました。

しかし、今の私の生活にはスーパー以外はほぼありません。(しかもタクシーで30分以上!)

当然、水酸化ナトリウムや塩酸やフェノールフタレイン溶液などの、理科の先生からするとメジャーな薬品すら手に入らないのです。

そこで、「無いなら工夫すればいい」の第2弾です!

実験の内容を工夫したり、薬品の代用品を探したりと、1年目は頭を悩ませてきました。

特に薬品の代替品は一苦労です。

1学期には細胞の核を染色し、観察する実験を行ったのですが、通常細胞核の染色には「酢酸カーミン溶液」や「酢酸オルセイン溶液」を使用します。

しかし、そんなものはパラオにありませんので、スーパーに売っているお酢を煮詰めて、食紅を入れて「酢酸オルセイン溶液もどき」を作ってみました。

日本の中学校では、おなじみの実験「玉ねぎの薄皮の観察」。

S__15876103_0.jpg

すると、見事に赤い細胞核が見えました!

このときは、酢酸オルセイン溶液に合わせて赤い食紅を使いましたが、青い食紅でも核の観察に成功しました。

日本から物質的な支援をすることは簡単ですが、大切なことは「支援が無くても継続できる技術」を置いていくこと。

日々、トライ&エラーで自分自身にも支援のための技術がついていくことが感じられる出来事でした。

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