2025/03/17 Mon
活動
~環境教育 in Popondetta①~ ポポンデッタ小学校/青少年活動


Apinun(トクピジン語でこんにちは)!青少年活動でオロ州ポポンデッタに派遣されているYuです。
ポポンデッタ市のポポンデッタ小学校で、算数と理科を教えています。
今回は、今年度から力を入れている、理科を通しての環境教育について触れていきたいと思います。
みなさんは、「地球温暖化」「SDGs」「3R’s」「コンポスト」といった言葉を知っているでしょうか。
いずれも環境に関する用語ですが、パプアニューギニアの子どもたちは日本の子どもたちが当然のように知っている言葉の意味を知らず、ましてや聞いたことすらありませんでした。また、環境問題に無頓着なパプアニューギニアの人が多く、町の発展が進めば進むほどゴミが溢れる町になっています。
ポイ捨を平気でしてしまう子どもも多く、朝の清掃活動はありますが、昼食後のグランドはゴミだらけのグランドになってしまいます。一方で、新鮮で美味しいフルーツや野菜に恵まれていたり、飲み終わったペットボトルを何度も水筒代わりに使用したり、米が入っている強度の強い袋をリメイクしてバックを作ったりと、豊かな自然があり、また「物を無駄にしない」という環境に優しい行動が行われていることも事実です。
そこで、私は4年生に対して、理科の授業を通して「環境問題」「その原因や影響」、そして「私たちには何ができるか」を子どもたちと一緒に考え、様々な環境保全活動を行いたいと思い、環境教育を進めることとなりました。1学期は「町の清掃活動」を主活動とし、いくつかのステップを踏みながら授業を行いました。


まずは、土が私たちの生活にとても重要な働きを担っていることを理解させ、土を必要とする植物を育てることにしました。今回はトマトの種を児童に分け与え、植木鉢の代わりに使用済みのプラスチックや卵のケース、牛乳やお菓子が入っていた空き箱を再利用しました。
理科の授業の指導内容の中には「土壌汚染」があります。4年生と共に「土の重要性」「土壌汚染の原因と影響」そして、「土壌汚染対策」について学びました。子どもたちは、ゴミから出る有害物質が土壌汚染に繋がり、人体に影響を及ぼすことにとても驚いている様子でした。そして、学んだことを活かして自分たちの町の環境についてグループごとディスカッションをしました。議題は「ポポンデッタの環境」。特に土壌汚染にフォーカスして、自分たちの町の環境の良い面悪い面、そしてその影響と原因、自分たちには何ができるかを一生懸命話していました。
そして、自分たちの調べたことを他国に知ってもらうために、日本と交流授業を行い、グループごとプレゼンテーションを行いました。多くのグループから、「ポイ捨て」や「ごみ処理問題」などが挙げられ、「土壌汚染は植物、動物、そして人間に悪い影響を及ぼすので、土壌汚染を止めなければいけない」といった、授業で学んだことを活かしたプレゼンテーションが行われました。解決方法に多くのグループがゴミ拾いや適切な場所にゴミを捨てることが挙げられ、主活動である清掃活動の価値づけとなりました。また、発表を聞いた日本の児童も自分たちと異なる環境に驚いている様子でした。
交流授業では、PNGからの発表だけではなく、日本の子どもたちから「地球温暖化」や「その対策方法」について説明があり、PNGでもできる環境保全活動について提案されました。そこで驚いたのが、PNGの子どもたちが地球温暖化やSDGsについて全く知らなかったことです。まずは、「知ること」が大切だと思いました。日本の子どもたちの発表のおかげで、地球が抱える問題や自分たちのできる活動への考えが深まりました。
交流授業で、「地球温暖化」や「SDGs」について知らないことが分かったので、4年生に地球温暖化の説明動画とその影響で近い将来、海面上昇によって沈みつつあるツバルについての動画を見せました。初めて見る深刻な映像やその影響でなくなってしまう国があることに衝撃を受け、その後、地球をよりよくするために「SDGs」という17のゴールがあり、その中に地球温暖化対策への目標もあることを説明すると、真剣に耳を傾けていました。最後は4年生の担任の先生が私の授業で学んだことの重要性を子どもに訴え、「日本もパプアニューギニアも他の国の人たちも同じ惑星である地球に住んでいる。どこか一国の人だけが環境問題に一生懸命取り組むのではなく、この地球に住む全人類でこの問題に取り組まなければいけない。なぜなら、わたしたちが共に住んでいる地球だから。」と、伝えてくれました。私の授業が少しでも多くのパプアニューギニアの子どもたちや教員に影響を与え、一人でも多くの人たちが環境を守る活動への一歩を踏み出せれば、良いと思っています。
今回交流させていただいた大阪堺市立日置壮小学校6年生の皆様、ありがとうございました。
日本との交流の結果、多くの知識を学び、今後の活動に活かすことができました。
それでは、次はいよいよ清掃活動になります。1学期もあと3週。頑張ります!
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