JICA海外協力隊の世界日記

パプアニューギニア便り

PNGの小学校で感じたこと - 3か月の挑戦とこれから

2025年1次隊、⼩学校教育隊員の⾦本です。

朝は白い霧に包まれ、鳥のさえずりだけが響くソゲリでの生活も
気づけば3ヶ月が過ぎました。

常夏の気候の中では季節の移ろいを感じにくく「もう12月?」と驚きつつも、
ここでの毎日はあっという間に過ぎていきます。
今回は、この3ヶ月で感じたことをお伝えします。

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パプアニューギニアの学校は4学期制で、12月5日に今年度が終わりました。

私はちょうど4学期の始めに着任し、観察期間を経て校長先生と相談し、
3年生の算数2クラスを担当することになりました。

3年生は任地校で一番下の学年です。

算数の基礎をしっかり築けるよう、
私にできることを少しずつ積み重ねていきたいと考えています。

授業は私がメインで進め、担当の先生に英語面でサポートしてもらっています
(ときどきどこかへ行ってしまうのが難点です。
以前、「雨が降りそうだから洗濯物取り込みに一旦帰るね。」と行ったきり
帰ってこないということがありました笑。)。

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授業をして強く感じたのは、子どもたちが“考えること”にまだ慣れていないということです。

「3×4は?」と聞けばすぐに答えが返ってきます。しかし文章題になると、
「式はどうなるかな?」という問いかけに、最初は誰一人反応しませんでした。

場面を想像する力や、式の意味を理解する経験がこれまで十分でなかったのだろうと思います。

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現地の授業は、先生が説明し、子どもはノートに写すだけというスタイルが一般的です。
黒板に書いてあることを写すのは得意でも、「自分の考えをもつ」という場面はほとんどありません。
だからこそ、「考える楽しさ」を少しずつでも実感してほしいと感じています。

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もう一つ苦労したのは教材づくりです。日本のようにプリントを配ったり、テレビに映したりはできません。

図や問題を見せたいときは、すべて手書きで作成し、磁石が使えない黒板にはテープで貼ります。

正直、時間も手間もかかって大変です。でも、手作りの教材を見せた瞬間
子どもたちの目がぱっと輝くのを見ると「やって良かった」と心から思えます。

こうした気づきを踏まえ、来学期からは3年生だけでなく4年生の算数も担当し、
思考力を育てる授業づくりに挑戦していきます。

子どもたちが「わかった!」と笑顔になる瞬間をもっと増やし、
勉強が楽しいと感じられるよう全力で取り組みたいと思います。

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また新しい発見や成長の様子を皆さんにお伝えできるのを楽しみにしています。

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