2026/06/30 Tue
人 文化 生活
真っ青な空の下、ここでの暮らしが少しずつ自分のものに

こんにちは。PNG(パプアニューギニア)数学教育隊員の山岸です。
5月上旬に日本を出立し、約3週間の研修を経てアロタウに赴任してから、ようやく1ヶ月が経ちました。この1ヶ月は、予想外の喜びと、予期せぬ出来事の連続でした。立ち尽くすような場面もありましたが、今になると笑い話になっています。真っ青な空の下、ここでの暮らしが少しずつ自分のものになってきた気がします。
♪割り切ることと、工夫すること
生活の中でできないことは割り切り、可能な限り工夫でカバーする。この繰り返しが、自分を少しずつ前に進ませています。予想外の利点に気づいたら、それを上手に活用する。そうしていると、新しい発見が次々と生まれてきます。
具体的には食材のことです。日本では当たり前に手に入るものが、ここでは全く手に入りません。しばらく試行錯誤していると、代用品が見つかります。苦しい妥協もありますが、こちらの方が良いケースも多いです。差し引きすると、プラスマイナスゼロどころか、むしろプラスになっていることに気づきました。
輸入食材は高いですが、国内産は安い。鮮やかな黄色のバナナや、オレンジ色の果肉のパパイヤは数十円。毎日食べていても飽きません。この土地の恵みは、本当に豊かです。

♪「似て非なるもの」との出会い
ただ、困ったことがあります。一見「同じ」に見えるのに、実は全く違うものがあるのです。
マーケットで、つやつやと光る緑色の海ぶどうを見つけたとき、思わずガッツポーズをしました。沖縄料理屋では必ず頼む大好物です。気候も似ているし、ここにもあるはずだと思い込んでいました。これが甘かった。
丼一杯分が100円ほど。緑の粒が、バナナの葉に巻かれて売られていました。料理法は知っています。軽く洗うだけで食べられるはずです。

キッチンで水でよく洗いました。日本のものより少しゴツい気がしましたが、気にしませんでした。これが失敗の始まりです。
洗った海ぶどうを皿に盛って食べてみると、とにかく塩辛い。体に悪いと思うほどの塩辛さです。塩が抜ける気配もありません。冷蔵庫に入れて時間を置こうとしましたが、海ぶどうは冷やしてはいけなかったようです。次の日、あの鮮やかな緑がしぼんで、ダメになっていました。
改めて買い直して何時間も水に浸してみても、塩辛いまま。ネットで調べても「パプアニューギニアの海ぶどう」という情報は引っかかりません。困り果てていました。
♪マーケットの売り手の女性からの教え
でも、よく見るとマーケットでは大人も子どもも、バナナの皮に巻かれた緑の海ぶどうを手に持っています。人気があるんだ。
海ぶどうで悩み続けるのは、おかしい。ふと気づきました。素直に売っている女性に聞けばいいんだ。勝手に思い込んでいたのは間違いです。ここは異国の街。文化も食べ方も違うのに、恥ずかしがって聞かないなんて、本当にもったいない。
市場で「How to eat?」と聞いたら、女性は不思議そうな顔をしました。隣にいた女性が「Chewing」とアドバイスしてくれます。「チューイング?ガム?」と首をかしげていると、その場で女性が緑の粒をそのまま口に放り込みました。確かに、噛んでいます。
そうか、このまま食べるんだ。だから子どもたちが手に持って歩いていたんですね。
帰り道、偶然同僚に会いました。「シーウィードだね」と声をかけられ、「ヘルシーだよ」と笑顔で言われました。青い海を背に交わした他愛もない会話が、なんだか妙に心に残っています。初めから食べ方を聞いていれば、こんなに苦労しなかったのに。
♪学んだこと
この出来事から学んだのは、シンプルなことです。遠慮や思い込みより、素直に聞く勇気。文化の違いを認めて、現地の人の知恵を借りる素直さ。
赴任1ヶ月で気づいたのは、困ったときこそ、人に頼ることが一番の近道だということです。恥ずかしさなんて、ここでは関係ありません。むしろ、現地の人の優しさと知識に触れることが、本当の学びなのだと感じています。
中年男性としては、「ヘルシー」より「ソルティー」の心配が先立ちますが、それもまた良い思い出です。次にあの緑の海ぶどうを口にするときは、きっと笑顔で噛みしめられるはずです。
日々の出来事まとめてます 海外協力隊 ヤマちゃん
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