JICA海外協力隊の世界日記

フィリピン便り

任地で見つけた先輩たちの足跡

フィリピン・コミュニティ開発隊員のドゥーモンです。
ルソン島ラ・ウニオン州サンフェルナンド市の非政府組織(NGO)で、
農家らの組織化支援などを行う予定です。
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私の任地にほど近い、サンフェルナンド市の植物園

「La Union Botanical Garden(ラ・ウニオン・ボタニカル・ガーデン)」で、

JICA海外協力隊の先輩の足跡を見つけました!

JICA海外協力隊の隊員は、入国してすぐ任地に派遣されるのではなく、

1カ月ほど同期と一緒にオリエンテーションや現地語の研修を受けます。

フィリピンではこの研修期間中に一度、実際に任地を訪れて住居や受け入れ先などを確認する

「任地視察」があります。私は5月27~31日、4泊5日で任地を訪問。

受け入れ先のNGO「ローマ地域開発財団」にあいさつをして、その後、

財団スタッフと一緒に地域を見学しました。その際、訪れた植物園で思わぬ発見がありました。

案内された植物園は、サンフェルナンド市が管理する山林約20ヘクタールの敷地内にあります。

同市の中心部から車で20分ほどの所です。園内ではフィリピンの固有種など

多くの熱帯植物を観察することができ、地元の方たちに親しまれています。

この一角に

「JAPANESE GARDEN(ジャパニーズ・ガーデン)」

と名付けられたエリアがありました。門をくぐると、石灯籠や竹などが姿を見せます。

でも、どうしてこんなところに日本風の庭園があるのでしょうか。

実は1970年代、この街に作物園芸の職種で4人の隊員が派遣されていました。

植物園の関係者によると、彼らはこの地域周辺に計約1500本ものマンゴーの木を植えたそうです。

こうした活動への感謝と功績をたたえようと、2003年にこの庭園が整備されました。

庭園内にはフィリピンと日本の国旗をあしらったモニュメントや

活動の経緯を伝えるプレートも設置されています。地元では、今でも当時の隊員を知る人がおり、

「山道を登って木を植えていた日本人の姿を覚えている」と懐かしそうに語る人にも出会いました。

1965年に始まったJICA海外協力隊の事業は、今年で60周年を迎えます。

フィリピンには事業の開始当初から隊員が派遣されており、私たちで181代目を数えます

これまでの多くの先輩が築いてきた信頼があるからこそ、

今の活動につながっていると改めて気づかされる体験となりました。

width_412.jpg【 ドゥーモン/コミュニティ開発 】

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