JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

KAZのつれづれ「ラスボス登場!」

私のJICAセントルシアでの隊員生活も残り1/4 
10月中旬から4月中旬までの
半年となった。

私はこの半年間を
セントルシア農業省の水産局で
過ごすこととなる。

この職場を選んでくれたのは
カウンターパート

「この職場の局長は
とてもOrganizedな人物だ」と彼はいう。

Organizedは直訳すれば整頓された
人物ということになるが、
きっと理路整然として
仕事の進め方がきちっとしている人
なのだろう。

RPG (Role-Playing Game)で
最後に登場するのが、
ラスボス。

刀を持って
バトルをやるわけではないが、
最後の職場のボスなんだから
ラスボスと言ってもいいだろう。

今日はこの職場で
出会ったラスボスのお話だ。

水産局というと、
なんとなく魚のにおいのするイメージがある。

これとは異なり職場も整然としている。

管理職の能力がすこぶる高いのだ。

やはりラスボス 
最後の相手は手ごわくて
当然なのか?

しかも、職場訪問前から
違いを見せつけてくれたのだ。

カウンターパートが私の受け入れをお願いすると
水産局長からカウンターパートに
電子メールが届く。

どうやら、カウンターパートに
私のプロフィールや農業省での活動について
教えて欲しいとのことだ。

私のカウンターパートは
めんどうなことが嫌いなので、
「どうする?」と私に聞く。

「それならば、
自己紹介のプレゼン資料が
ほとんど完成しているので、
これを事前に送付しましょう。
自分の経歴や農業省での活動は
これを見ればわかります」

ということで私のプレゼン資料を
事前に送付することとした。

自己紹介プレゼンの中にはI
SO関連やQCサークル活動の職歴や
セントルシア農業省での改善活動の内容
が書かれている。

水産局のトップである水産局長は
明るく朗らかな女性の局長で
実績もかなりのキャリアの持ち主だ。

送付した資料を見て彼女は
「燃料払い出しプログラム」の
標準作業手順書SOP(Standard Operational Procedure)を
送ってきてこれに基づき評価して欲しいと言ってきた。

セントルシアでは漁業関係者が
漁船の燃料消費量を報告すると
政府から払い戻しを受けることが出来る。

この制度について評価して欲しいということらしい。

セントルシア農業省では
ここまで整理されたSOPを見たことがなかったし、
ISOの手順に沿った素晴らしいSOPであった。

そもそも、着任するまでに私の課題を事前連絡し、
これをお願いしたいと言ってきた初めての管理職だ。

手ごわいラスボスだ!!

彼女の電子メールには
私の個室も用意してあります
と書いてあり、
準備万端の受け入れ。

ラスボスのレベルがあまりに高いので、
大急ぎで活動内容を提案するプレゼンを
追加で作成することとした。

From SOP to Practice
Strengthening the Fuel Rebate Programme
through Clear Procedures

「SOPから実践へ ~ 
明確な手続きを通じた燃料払い戻しプログラムの強化」
というプレゼン
着任時初日のプレゼンに間に合うように仕上げた。

「ボランティアが配属職場の内部監査をする」
というと少し刺激的なので、
SOPと実務との整合を確認して、
実務を観察し提言を行うことを
活動内容にすることにした。

実務をフロー図や表にして
わかりやすく可視化して、
その中から組織の課題を抽出するアプローチである。

最初に私が取り組んだのは、
水産局の組織表を作成すること。

各管理職の顔写真と
スタッフ全員のフルネームが入った
組織表を私が作成する。

次に水産局内部の各チーム、各ユニットの
職務内容を私が記述する。

ここまでを2週間程度かけて
自分で作成してみると
水産局の業務の全体像がわかってくる。

凄腕の水産局長は
自分がどういう意図でこの作業をしているのかを
よくわかっていたのだろう。
職務内容関連の資料とともに
水産局の水産政策 10か年を送付してきた。

この作業を続ける中で
水産局が2か所の養殖場を持っていることが判明。

水産局の管理課長に
「養殖場で働くスタッフの氏名を教えてくれ」
とお願いした。

この管理課長は
秘書から管理職に昇格した
優秀な女性管理者である。

電話で関係スタッフに名簿を要求。
彼女の手元にすぐに手書きの名簿が届く。

彼女は養殖場のスタッフリストを
そのまますぐに私に渡すことなく
自分でチェックを始める。

自分で誤りがないかを確認し、
スペルの読みにくい場所はないか
確認してから私に渡してくれた。

そして、私がノートパソコンに
打ち終わるまで見守ってくれた。

管理職としても素晴らしい配慮だと思う。

彼女と一緒に職場を歩いた時も
消耗品の在庫確認も彼女自身でしっかりやっていた。

管理職として素晴らしい目利きである。

素晴らしい管理職と一緒に仕事が出来た自分は
本当にラッキーだ。
これまでも素晴らしい仲間に恵まれ。
そして、これからの半年間も・・・

2年が過ぎてこの国を去るとき
出会えた人々を思い
素晴らしいボランティア生活だったと
思い出すだろう。

んん? まだ、少し早かったな・・・

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