2026/03/27 Fri
現地生活
隊員Gのセントルシア日記_69 〜Medical Checkup〜

JICA海外協力隊員(長期派遣)の任期は2年です。そして、折り返し地点となる派遣1年が経過した時点で、任国での健康診断が義務づけられています。海外生活が健康に及ぼす影響を数値化して、任務を継続できるかどうかを判断する材料としているものと思われます。私たち隊員を守るしくみのひとつなのです。島国での暮らしは、食の安全や栄養バランスなど、細かい配慮をすることは、決して簡単ではありません。食品の多くを輸入に頼っており、価格が高いうえに、品質と数量がともに不安定なのです。例えば、私は、この年齢になっても牛乳を毎日飲む習慣があるのですが、フレッシュな牛乳は非常に高価で手が出ません。どうしても長期保存タイプのものを求めることになってしまいます。ところが、Whole(全脂乳)、Semi-Skimmed(低脂肪乳)、Skimmed(無脂肪乳)の3種類がある中で、少しでもコクのある美味しい牛乳が欲しくなるのですが、やはり全脂乳は人気があり、品薄になることがあるのです。スーパーマーケット側に、顧客満足度や在庫管理などの進歩的な考え方があれば、話ははやいのですが、どうやら小さな島国では競争原理が働かず、旧態依然とした状況が続いているのです。いわゆる売り手市場であり、Semi-SkimmedやSkimmed の売れ残りがある程度なくなるまで、Wholeが棚に並ぶことはないのです。しばらくは、Semi-Skimmed を我慢して飲む日が続きます。まあ、健康には、その方が良いのかもしれませんが。

さて、派遣1年を経過した時点で、私もセントルシアで健康診断を受け、その結果を手にすることになりました。唯一、悪玉コレステロールであるLDLが、セントルシア基準の0-100 (mg/dL)より、少し高い数値を示していました。言い渡された瞬間は、とてもショックを受けました。関西弁で表現するならば、「やってもたぁ〜」というところです。そう言えば、若い隊員と同じようにして飲み食いしました。また、若者が集うカレッジが活動場所ですので、昼食を Pork & FriesやChicken & Fries、ハンバーガーなどで、手っ取り早く済ませることもありました。様々な後悔が頭の中を駆け巡りました。しかし、居宅に帰って、派遣前の数値と比べてみると、なんと経年比較は減少しているではありませんか。しかも、日本基準の0-120 (mg/dL) の範囲の中に収まっていたのです。日本では健康体だけど、セントルシアでは健康体ではない、という妙な診断結果であったのです。いつもとは、少し趣の異なるカルチャーショックを味わうことになりました。

種明かしは簡単です。セントルシア政府が、肥満や糖尿病や高血圧の予防に、より力を入れているという証なのです。LDLの理想値を0-100 (mg/dL)と定義して、予備軍を早い段階から生活改善指導しようとしているのです。日本でも最近、高血圧治療ガイドラインラインが変更されて、より厳しく(130/80 mmHg)なりました。これも、早めの管理や治療が、脳卒中や心筋梗塞の予防につながることがわかってきたからなのです。そこで、私自身も潔く、処方されたFish Oil のタブレットを服用しながら、食事療法と運動療法で悪玉コレステロールをセントルシア理想値にする決心をしました。アボガドやシナモンやニンニクが良いという医師指導でしたので、思わず値札を顧みずに購入しました。また、ポークやチキンの脂質が良くないということでしたので、好きなWrapもフィッシュを注文しました。ソーセージやベーコンなどの加工食品を全く使用しない料理は難しいかもしれませんが、血管へのボディー・ブローを少しでも減らすために、努力したいと考えています。日本在住であれば実現しなかった取り組みが、ここセントルシアで新しく始まりました。
SHARE





