JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

楽しい離島のミニバス旅行

2023年度1次隊 野菜栽培 里見洋司です。

セントルシアは、カリブ海東部にある小さな離島の国です。人口は18万人、面積は日本の琵琶湖ほどしかありません。この小国の主要な公共交通手段はミニバスです。タクシーもありますが、料金が高いため、日常的にはあまり利用しません。ミニバスは合計31路線あり、北部の首都カストリーズと国際空港のある南部のビューフォートを基点に広がっています。料金は、距離や所要時間に応じて設定されています。3km位までの初乗りは約90円。約60km1時間15分を要する最長区間でも約450円と安価です。

世界中でミニバスは普及していますが、この国も基本的には同じ仕組みです。車両は、日本車の中型ワゴンを15人乗りに改造したものです。都市の始発地では、座席が満員になると出発します。定刻は無く、運転間隔は乗客次第です。乗車時には多くの人が挨拶を交わします。小さな国なので、皆知り合いなのだろうと思っていました。しかし、多くは他人でした。今では、私も必ず挨拶をするようになりました。日中の停車中のバスではまだ乗客が少ないと、多くの人は乗車せずに買物や用足しに出かけます。乗客が過半になると俄に乗車し始め、程なく満員になります。現地の人はこのタイミングを逃しません。

都市の中や路側帯が無い高速路線以外では、何処でも乗り降りが出来ます。しかし、レゲイ音楽を聴き入っている運転手が少なくありません。「バスストップ!」と声を出しても全く反応しないことがあります。すると車内のあちこちから、バスストップの連呼が起こります。他人のことなのに怒り出す人もいます。

路線は決まっていますが、渋滞すると迂回します。路線から外れた場所に行きたい乗客がいると迂回します。このため、時には目的地に行けなくなる乗客も生じます。でも誰も不服を言いません。全体としてその方が便利なので、受け入れています。人々はとても柔軟なルールの中で温和な気持ちで利用しています。ミニバスが好きになった私は、土曜日にミニバス旅行を続けています。現場の巡回も全てミニバスで行います。1年間で車通勤の現地職員よりも私の方が詳しくなりました。現在、26路線を始発から終点まで乗車しました。任期終了するまでには全路線乗車を達成したいと思っています。

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