JICA海外協力隊の世界日記

セネガル便り

セネガルのスーパー校長に会ってきた!

アッサラーム アレイクム!(あなたに平安を)ナゲンデフ?(元気ですか?)ヤンギシジャム?(あなたは平和ですか?)アナワークルグ?(家族は元気ですか?)

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相手を思う挨拶がたくさんの国セネガルで、JICA海外協力隊をしている2023年度4次隊の松井です。

「ダーラ ジョロフ」 という町で、算数教育の向上のため複数の小学校で活動しています。配属先の希望で、小学校の教員向けにセミナーも開催しました。 

今回は、そのセミナーのために取材した素晴らしい校長先生を紹介!



 川を越えればモーリタニアの村、ギダハール



任地のダーラ ジョロフから、サンルイを経由して車で6時間。セネガル北部にあるギダハールという村にやってきました。この村の小学校は、各学年1クラスの計6クラスの小規模校です。校長先生は1年生を兼任しています。

ここを知ったきっかけは、任地の小学校教員からの紹介でした。校長先生は、学校の様子や算数の授業をSNSで発信しており、その投稿から情熱が伝わってきました。

ぜひともダーラ ジョロフの先生に知ってもらいたい!何より私が会いたい!との気持ちで取材を決行。様々な方の力を借りて、たどり着くことができました。



 さまざまな教具で子どもたちの理解度UP!



教室に入ると、たくさんの教具がのった大きなテーブルが、ドーン!と置かれていました。

計算領域から図形領域まで、ありとあらゆる算数教具がそろっています。後ろには、教具作成スペースまで!他の学年にも、学習内容に応じた教具を活用していました。

最初の画像は、校長先生の教室にある教具テーブルです。多くの具体物がそろっているので、子どもたちは数字と数が結びつきやすく、楽しくてわかりやすい授業が行われていることが伝わってきました。


セネガルでは、PAAMEと呼ばれる算数教育の向上を目指すプロジェクトがJICA協力のもと行われています。

「アバック」と呼ばれるそろばんや「カイエ デグザシス」と呼ばれる算数の演習ブックの活用を、教師間のコミュニティを通して自律的に推進。2024年には、セネガル全土に広がったプロジェクトです。


校長先生のクラスには、1年生が30人。1人に1つのアバックがいきわたるよう製作していました。

木材で製作するアバックは、製作に時間がかかります。それを、他の先生を巻き込み一緒に作ったそうです。他の学年には、ペットボトルに砂を入れた形のアバックを製作。

冊数が足りなかったカイエ デグザシスは、30人の子どもたちが書き込めるように自費印刷までしていました。子どもたちの発表する姿勢も堂々としていて、声も聞こえやすかったです。

その全てから、校長先生の教育のすばらしさを感じました!


この画像が「アバック」です。十の位と一の位の棒に、穴が開いたペットボトルのキャップを通して数えます。

「13」なら、十の位に1個と一の位に3個、という置き方をします。繰り上がりや繰り下がりも、一の位のキャップ10個と十の位のキャップ1個を変換するので、数のイメージがつきやすくなります。



 セネガルの算数教育、これからどうしたい?



学校視察の後は、リシャートルという町にある校長先生の家で昼食をごちそうになりました。

そのときに、質問をして心に残った回答がこちらです。


 Q. セネガルの算数教育は、これからどのようにあるべきだと思いますか?

算数の学習をより簡単で魅力的なものにするために、日本式の教育法を採用する。

子どもに身近なものやことを学習につなげることで、概念の理解をより深める。

国や地域社会からの資金提供を待つことなく、自発的かつ情熱をもつ

優れた教育実践を共有するために、コミュニケーションツールや新しい技術に積極的に取り組む

演習をより持続可能でインタラクティブなものにするために、タブレットを活用する。


セネガルの教育の現状と比較して、なんてすてきな未来を想像しているんだ、と思ったと同時に、日本の教育を行う立場として、身が引き締まる思いでした。

残りの任期も、任地の算数教育の向上に尽力するとともに、その後もセネガルと日本という離れた場所で、同じ情熱をもって働いていきたいと思えました。

取材に快く応じてくれた校長先生、そして紹介してくれた任地の教員に感謝の気持ちでいっぱいです。

ここまで読んでくださり、ジュル ンゲン ジェフ!!!(ありがとうございました!!!)

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