JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

赴任後研修【Village Stay Program】と小さな発見

協力隊員は任国に着いてすぐ活動を始めるのではなく、1カ月程度の研修を受けたのち、それぞれの配属先に移動します。

今回は、研修の一環として行われた【Village Stay Program】を紹介します。現地語に慣れ、文化を知ることが目的です。たくさんあるソロモンの魅力を少しだけでもお伝えできればと思います!

■村での生活

3泊4日の日程で訪れた【タシンボコ村】。首都ホニアラからは、車で約2時間の場所にあります。村の近くにマーケットはなく、育てた作物や魚を食べて生活を送っています。電気も通っていないので、夜は太陽光発電式のLEDライトのみ。辺りは真っ暗です。飲み水の確保には井戸水を汲みに行く必要があり、日本での便利な暮らしとは大いに異なります。しかし村での滞在を通して、豊かさや幸せについて考えさせられました。日が昇る時間に起き、皆でゆっくり話し、時には近所の子どもたちと一緒に遊ぶ。心地良い時間の連続でした。

■自然と調和すること

ホームステイ先は農家で、テニスコート4面分の面積の畑を持っています。収穫物であるイモ類や葉野菜、ココナッツを市街に売りに行くことで、現金収入を得ています。ヤムイモなど、その他の作物は家族や村の皆で分け合うとのこと。野生の草木にも詳しく、食べられるか、材木として使えるかなど、生活に密着した豊富な知識に驚かされます。子どもたちも学校終わりには、家の畑を手伝います。時には5メートルほどのココヤシの木に登り、自分のための食材を手に入れていました。タシンボコ村では、子どもの頃から自然の恵みを存分に味わい、自然と共に生きる力が育っています。

■熱帯雨林気候の豊かさ

ソロモンは1年を通じて高温多湿、季節は雨季と乾季のみ。温度変化の少ない気候だと考えていました。ですが今回、自然と隣り合わせで生活する人々を実際に見ることができ、考えが変わりました。もちろん、生きるための食材獲得と熱帯雨林気候は大きく関連しています。その中でも、ごくわずかな時期を見逃さないような鋭い観察や経験に基づく知恵が、村では活かされていました。

例えば、普段は地面に掘った穴で生活をする大型のカニが一斉に木に登り産卵する期間を見逃さないようにしたり、ヤムイモを育てる時期を繊細に選定したりするなどです。ここにも、自然と共に生きる力が溢れていました。

■小さな発見

特に興味深かったのは、土壌管理の工夫です。写真のように作物の間には枯れ木などがたくさん置かれています。目的の作物を栽培するうえで邪魔なのでは?と思い「取り除かないのか」と尋ねました。すると「枯れ木があることで土壌中の水分の蒸発を防ぐことができ、乾季でも水やりの必要が無くなる」と。【乱雑にも見え不必要に思えるものが、実はとても合理的な理由で活用されていた】ことが発見でした。

この経験から、まずは生活の中で変化に気づくこと、気づきを質問して確かめること、長年培われてきた自然と調和した生活から学ぶことを大切にしたいと考えます。相手への尊敬と聴く姿勢も忘れてはならないと再認識することのできた、実りある【Village Stay Program】でした!

藤田画像4.png

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