2026/10/14 Wed
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新たにオープンしたNaha Birthing Centreで新しい命の誕生

(写真:Birthing Centre で2人目の赤ちゃん誕生)
ソロモン諸島の首都ホニアラにあるNaha Clinicで活動しています、助産師のRieです。
今回は、新しく稼働し始めたNaha Birthing Centreの様子をお伝えします。
突然ですが、ホニアラにある3次医療施設で、毎月どのくらいの赤ちゃんが生まれていると思いますか?
日本では、年間1,000件ほどのお産があると多い、というイメージがあるかもしれません。一方、ホニアラ唯一の3次医療施設であるNRH(National Referral Hospital)では、毎月500〜600人もの赤ちゃんが誕生しています。
これだけ多くの赤ちゃんが生まれるため、NRHの産後病棟ではベッドが足りず、1つのベッドを2人のお母さんと2人の赤ちゃんが一緒に使うことも少なくありません。
そんな中、待望のNaha Birthing Centreがオープンしました。
新しい施設でお産を支えていくうえで、私たちが大切にしていることがあります。それは、リスクのある妊婦さんや赤ちゃんを早期に発見し、必要な医療につなげること。そして、お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまう「死産」を、1人でも減らすことです。
この思いは、Birthing Centreのオープンによって始まったものではありません。私たちはこれまでも、NRHで行われる死産監査から学び、そこで得られた気づきを日々の妊婦健診に生かせるよう、スタッフとともに取り組んできました。
NRHでは、毎月の監査で10〜20人の赤ちゃんが死産となっていることが報告されています。実際に、妊婦健診の際、お腹の中で赤ちゃんが亡くなっていることをお母さんに伝えなければならない場面にも、何度か遭遇してきました。そうした経験を重ねる中で、妊婦健診を担う私たちにできることは何か、考え続けています。
こういった悲しい思いをするお母さんを1人でも減らすために、スタッフと一緒にリスクのある妊婦さんを見つけるためのスクリーニング方法を確認したり、ガイドラインに沿った診察ができるよう働きかけたりしています。また、現地の言葉を使い、一人ひとりのお母さんに丁寧に説明することも大切にしています。お母さん自身が自分と赤ちゃんの命を守るために必要な知識を身につけられるよう、日々取り組んでいます。
Birthing Centre オープン前には、スタッフと必要な物品を確認し、緊急物品の確認や5Sの導入、薬剤の投与方法の指導、緊急時の対応のシミュレーションをするなどし、チームで母子を支えられるように準備してきました。
そして先週Naha Birthing Centreがようやくオープンし、1人目の赤ちゃんが誕生しました。
夜間のお産だったため、残念ながら私は立ち会うことはできませんでしたが、妊婦健診から関わっていたお母さんです。翌朝、私が赤ちゃんとお母さんに会いに行くと、お母さんはとても喜んでくれました。これまでは、Naha Clinicで妊婦健診を受けていても、出産はNRHで行われるため、産後健診に来るまでお母さんと赤ちゃんが様子を知ることはできず、スタッフとNRHに様子を見に行ったこともありました。こうして出産後も直接会い、元気な姿を見られることはBirthing Centreができたからこそ感じられる喜びです。
そして、翌日。陣痛が始まった産婦さんが来院しました。
私と日勤のスタッフ5人に加え、医師もすぐ後ろでスタンバイし、みんなで産婦さんをサポートしました。
見事なチームワークのおかげで、無事に、とてもかわいい女の子が誕生しました。

(写真:幸せなひととき)
元気な産声と、スタッフみんなのうれしそうな笑顔。そして、無事に出産を終えたお母さんと家族のほっとした表情。
分娩室は、幸せな空気に包まれていました。
Birthing Centreがオープンして1週間。1人、また1人と、元気な赤ちゃんの産声が響いています。
Birthing centreがオープンしたことで、私たちは、これまで妊婦健診で関わってきたお母さんたちを、妊娠中から出産、そして産後まで、継続してサポートできるようになりました。
これまで大切にしてきた、妊婦健診の中でリスクを見つけ、必要な医療につなげること。そして、死産監査から学んだことを日々のケアに生かしていくこと。新しい施設でのお産が始まった今、その取り組みを出産や産後のケアに、より繋げやすくなりました。
これからもNaha Clinicのスタッフとともに、一人ひとりのお母さんと赤ちゃんに寄り添い、妊娠中から産後まで、その命を大切に支えていきたいと思います。
24−3 助産師 荒金里英

(写真:産後、スタッフと共に新しい家族のお祝いに訪室しました。)
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