JICA海外協力隊の世界日記

南アフリカ共和国便り

「柔道」が変える未来ー誇り高きSouth African Judokaたち

1. 多くの協力で形になった「専用のDOJO」

Ndi masiari!(ン ディ マセアリ!:ヴェンダ語で「こんにちは」)

南アフリカ共和国で2024年度1次隊柔道PCインストラクター隊員として活動している小池です。

私の任期も残りわずかとなりましたが、今回は、私がこの地でICT教育と同様に力を注いできた「柔道」の活動について、3つの視点からその歩みを振り返りたいと思います。

私は前回の私の記事で紹介した通り、南アフリカ共和国北東部、リンポポ州ラヴェレ村にある Daniel Mubva Primary School(ダニエル ムブヴァ小学校) で活動しています。

ここには多くの方の協力で用意することができた「道場」があります。まずは、校長先生のご厚意で提供された空き教室。そこに敷かれた畳は、南アフリカ柔道協会所属、「KAIZEN JUDO CLUB」(写真上)の指導者でもあるLouw先生(写真下が、はるばるヨハネスブルグからお父様と一緒にトラックを走らせて運んできてくれたものです。

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そして、彼らが着ている柔道着は、私の人生の師であり、親友や兄のような存在でもあるロベルト先生(写真上左)が率いる南アフリカ「Judo for Peace(J4P)」から貸与されたもの。イタリア人でありながら他国の発展に柔道を通じて人生を捧げる彼の背中は、私の最大の目標です。

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そのような強力なバックアップを受け、つたない英語及び現地語(ヴェンダ語)ではありますが、私は常に「パッション」を全開にして指導に当たりました。

言葉の壁を越えて、生徒たちが私の動きを食い入るように見つめる瞬間、そこには確かにJUDOの精神を南アフリカで感じることができました。

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2. 「礼」が変える、厳しさの中の日常と「武者修行」の旅

南アフリカの学校に配属されているため、Term(学期)ごとに中長期の休みがあります。

私はその期間を利用して、首都近郊にある様々な道場へと足を運び、指導や自らの稽古に参加させていただいてきました。柔道発祥の国である「日本の柔道家」として手厚く歓迎していただきました。本当に感謝しています。

その中でも特にお世話になったのが、前述のロベルト先生率いる南アフリカ「Judo for peace (J4P)」の道場と生徒達です。

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しかし初めて稽古に参加せていただいたときに驚いたことがありました。

それは、道場生の多くが生活や治安が非常に厳しい地域から稽古に参加しているということです。子どもたちを取り巻く環境は決して平坦ではないそうです。しかし、かつて日本の支援によって建てられたこの道場に一歩足を踏み入れれば、そこには南アフリカとは思えない世界が広がっていました。

生徒たちは柔道を通じて、友人、先生、そして切磋琢磨する稽古相手、そのすべてをリスペクト(尊敬)する姿勢を、身をもって学んでいました。日本の柔道家としてこれほどまでに誇らしく嬉しいことはありません。

稽古では、南アフリカ人ならではの高い身体能力を活かした豪快な技が次々と飛び交います。

一方で、ひとたび厳しい練習が終われば、誰からともなく音楽に合わせてダンスが始まるのも、彼ららしい最高に魅力的な光景です。

この驚くほどのメリハリこそが、彼らの強さの源。荒んだ環境に屈することなく、畳の上で「礼」を交わす彼らは間違いなく立派な”Judoka”でした。

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3. 「自他共栄」が創り出す新しい雇用と日本との絆

南アフリカの抱える大きな課題の一つに、非常に高い「失業率」があります。しかし、ここで柔道を身につけたロベルト先生の教え子たちは、今や近隣学校の体育や放課後のクラブへ指導者として派遣され、自ら「雇用」を創り出し始めています。そして、自身の生活を豊かにするとともに柔道の素晴らしさや精神を次の世代へと繋ぎはじめています。

柔道が単なる競技に留まらず、生きていくための糧となっている事実に、私は柔道が大切にする「精力善用」「自他共栄」の精神の真髄を南アフリカで感じることができました。

また「J4P」の道場には、日本のNPO法人JUDOsから届いた支援品や、名だたる柔道家たちのサインが入ったフラッグが掲げられています。地球の裏側で柔道を通じて日本との繋がりを感じられることは、日本人として、一人の柔道家として、大きな誇りであり励みでした。

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間もなく帰国の日を迎えますが、私と南アフリカの関係はここで終わりではありません。南アフリカで出会った最高の”Judoka”たちの未来のために、これからも日本からエールを送り続け、その発展に貢献し続けたいと考えています。

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関わっていただいた世界中の”Judoka”に感謝申し上げます。(写真はJ4P主催の国際柔道Camp最終日「KAZUNO Judo club」にて撮影)

SHARP.―― Thanks.Respect.Good bye!

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