JICA海外協力隊の世界日記

スリランカ便り

Kandyで最も貧困な地域に射す光~Mahaiyawa公衆トイレ清掃・壁画プロジェクト~ part2

スリランカ第2の都市・Kandy市の中でも最も貧困層が暮らす地区、
Mahaiyawa(マハイヤーワ)」の衛生環境を向上させるために、1つの活動が始まった。

この地区がどんな場所で、どんな人々が暮らしているのか——
気になる方は、ぜひ1弾の記事をご覧いただきたい。

~Mahaiyawa公衆トイレ清掃・壁画プロジェクト~ part1

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公衆トイレを清掃するにあたり、まず直面したのは「掃除用具をどう調達するか」という課題だった。地域住民で少しずつお金を出し合う案も出たが、「日々の暮らしで精一杯で出せない」という声が多く、資金は全く集まらなかった。

―ならばどうする?―


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話し合いの末、みんなでスポンサーを探すことに決めた。幸いにも、協力者はすぐに見つかった。以前からつながりのあったGreater Kandy(Kandy市で支援活動を積極的に行う企業)の代表が、快く資金提供を申し出てくれたのだ。

その支援により、Mahaiyawaの高校生たちが中心となって、
掃除用具や個室に施錠をするための鍵などを購入することができた。

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2025年7月28日。
近隣住民約10名が集まり、一斉清掃が行われた。

壁のポスターをはがし、汚れをこすり落とし、床は洗浄剤でピカピカに。
屋根に登って壊れた水タンクを修理した結果、ついに壊れたトイレにも水が流れるようになった。
その瞬間、みんなの顔に笑顔が広がった。

しかし、不安がよぎる。

「同じことの繰り返しではないか。」

一度きりの清掃をしても、しばらく経てばトイレはまた汚くなるだろう。
大切なことは、“どうすればトイレを綺麗に保てるのか”。

悩んでいた時に、1人の日本人アーティストとの出会いがあった。

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彼の名は、Yuto。

京都芸術大学(旧:造形芸術大学)を卒業後、ゲストハウスやSUPショップなどに壁画を描いてきた経験を持つアーティストだ。「環境」をサブテーマに活動しており、彼の言葉や作品から伝わる想いに、私はこのプロジェクトを継続的に発展させる力を感じた。

そこで私は、Mahaiyawaの公衆トイレに環境をテーマにした壁画を描いてもらえないかと相談した。すると彼は二つ返事でこう答えた。

「やりましょう」

次回は、衛生的に生まれ変わったMahaiyawaの公衆トイレが、

環境壁画によって地域に愛される“アイコン”へと変わっていく過程をお伝えします。

―アーティスト・Yutoがそこに込めた思いとともにー

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回もぜひご覧ください。





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