2025/01/21 Tue
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いつでも行ける鬼退治〜スリランカの奥地は桃太郎の世界〜
ආයුබෝවන්(アーユボーワン)。こんにちは。
はじめまして、遠藤和弥です。スリランカ南部・マータラ県にあるニルワラ教員養成大学に、小学校教育分野で派遣されています。
私の活動目標は、スリランカの子どもたちが楽しく学べるような環境を作ること。そのための方法を、日本での経験を伝えながら学生たちと共に考えています。
スリランカは、インドの南に位置する小さな島国。国名は「光り輝く島」という意味です。たくさんの自然に囲まれて、人も動物も穏やかに仲良く暮らす様子を見ていると、ぴったりの名前だなと思えてきます。
私の任地にも、自然がいっぱい。街中でも道路でも学校の敷地内でも、犬が人間と並んで歩いています。日本で野良犬というと少し怖いイメージがありますが、ここでは人間には人間の、犬には犬の世界があるようで、お互いあまり干渉しません。犬たちは、学生が朝のお祈りをしている列にも自然と入り込み、大きなあくびをしながらごろんと寝そべって気持ちが良さそうです。
そんな犬たちと時々喧嘩をしているのが、木の上に暮らす猿たち。敷地内には、ニホンザルのような見た目の赤猿と、尻尾の長い黒猿が住んでいて、お互いにナワバリを守って生活しています。元気な赤猿、大人しい黒猿と言われていて、犬と吠え合っているのはいつも赤猿ですが、小さな赤ちゃんを抱える姿はとても可愛いです。
講義中も、たくさんの鳥の鳴き声が聞こえてきます。特に大きな声で「アァー!」と鳴いているのはクジャク。オスはとても綺麗な翼を大きく広げ、メスのクジャクだけでなく人間にもお尻フリフリダンスを見せてくれます。学生が静かに学習する教室の横を優雅に歩く姿は、校内を見回る校長先生のようです。
犬、猿、クジャク。いつでも従えて、鬼退治に出かけられそうな職場です。
この大学で学ぶのは、スリランカ各地から集まった、将来学校の先生を目指す学生たち。「大学」と訳しはしますが、日本でいう専門学校に近いイメージで、3年間で卒業し就職します。3年次には1年間の教育実習があるので、普段は1・2年次の学生600名ほどが構内にある寮で暮らしています。
私は、4つあるコースのうちの一つ「初等教育コース」で、1・2年生合わせて4つのクラスを担当しています。大きな学生相手に講義をするなんて、と初めは不安でしたが、熱心で新しいことも柔軟に吸収していく学生たちと関わることに、今はやりがいを感じています。
任期は残り少しになってしまいましたが、少しだけ発信して帰れたらと思います。
それでは!ස්තූතියි(ストゥーティー)。ありがとう。
※1枚目の写真は庄司健人さん撮影
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