JICA海外協力隊の世界日記

タイ便り

【古都チェンマイ便り】〜#3 ブラウンチーズとインターン生 〜

◾️職種:食品加工
◾️配属先:チェンマイ畜産物研究開発センター
◾️名前:池﨑篤史

สวัสดีครับ〈 サワディーカップ ”こんにちは” 〉

配属先でしばらく活動してみて、自由に使える時間も多かったのでブラウンチーズの研究を始めることにしました。

ブラウンチーズってなに?

上の写真がそうです。製品の特徴を説明する前に、まず普通のチーズの話をする必要があります。

チェダーチーズやモッツァレラチーズを作る際に得られるチーズは原料乳に対して10%です。

じゃあ残りの90%は? それが「ホエイ」です。

ホエイには牛乳の栄養の50%がまだ残っていると言われています。
牛乳の栄養の半分を含んだホエイは貴重な資源といえます。

大規模な設備導入が可能な一部の企業ではホエイの商品化が可能です。
しかし、一般的にはホエイは廃棄されているのが現状。
私の配属先でもチーズを製造していますが、ホエイは廃棄しています。

もったいないな〜何か使えないかな〜
調べていたら見つけたのがブラウンチーズ!

このブラウンチーズですがホエイを主原料とします。
ノルウェーをはじめ、主に北欧で食べられている伝統の乳製品です。

配属先でチーズを作る際に出るホエイをもらって冷凍保存しておき、解凍して試作します。
材料はホエイ、牛乳とクリームを少しずつ、砂糖を少しです。

はじめは手探りでの開発でしたが、試作を重ねて安定した質の製品ができるようになると同僚達も興味を示してくれました。

基本のレシピができた頃にインターンの大学生にも研究を手伝ってもらうことになりました。
私の職場には10数人のインターン生が学びに来ていて、彼らも数ヶ月のインターン期間でそれぞれ研究テーマを決めてプロジェクトを進めなければなりません。
そこで、同僚のアドバイスでチェンマイ大学から来た2人と一緒にブラウンチーズの研究を進めることになりました。

「テーマこれでいい?」
【ブラウンチーズの開発と消費者の嗜好に影響を与える要因の研究】

2人が考えてきてくれたテーマで新製品に対する消費者の好みとそれに合ったレシピを検討することにしました。

「これまだ?」「次どうするの?」
試作をはじめた頃は慣れずに大変でしたがすぐにコツを掴んでうまく試作できるようになっていたので、2人の器用さに驚きました。

3種類のそれぞれ違った特徴のチーズを選定しそこから得られるホエイを使ってブラウンチーズを試作、他のインターン生や同僚たちに食味評価をしてもらい消費者の好みを調査しました。
同時に栄養分析と原価計算も行い、製品の価値を評価しました。

「分析結果でたよ」「プレゼン資料これでいい?」
彼女達も慣れない作業のようでしたがよく相談して情報をまとめ積極的に学んでくれました。

そして先日ファイナルプレゼンテーションがありました。
2人ともとても緊張した様子で見ている私も緊張しましたが、よく情報収集をして研究の結果をうまくまとめていました。

大学生にはタイ語の練習に付き合ってもらったりお互いの国の話をしたりと、仕事以外でもいろんな考えを共有し交流を深めました。
これから彼女達はそれぞれの大学に帰って研修の結果を報告し卒業していきます。
とてもお世話になった彼女達に感謝し彼女達のこれからの活躍と成功を祈ります。

研究を手伝ってくれた2人です。

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