JICA海外協力隊の世界日記

タイ便り

【特別編】日本語教育 ~ 大学での授業の一コマ

◆ 職種:日本語教育

◆  配属先:ペッチャブーンラチャパット大学

◆  名前:中﨑 徹

こんにちは。
私はJICA海外協力隊として、タイ北中部のペッチャブーン県にあるペッチャブーンラチャパット大学(PCRU)で日本語を教えています。

今日は、大学での日本語授業の一コマをご紹介したいと思います。

◆ 楽しく学ぶ、使える日本語を

タイでの外国語教育は、中高校から英語+αが一般的です。
学校や地域によって大きな差がありますが、高校で日本語を学ぶ人もそれなりにいます。
ただ、それはペッチャブーンでは稀で、大学ではほぼ全員、日本語は0からのスタートです。

最初にローマ字で50音の発音を覚え、読み書きを練習していきます。
各期の授業時間は、実質2.5時間/回x14回前後で、その間中間テストや課題プレゼンなどもあり、やれることに限りがあります。そんな中、楽しく学び、できる限り実用的に活かすことができるように授業内容を工夫しています。

例えば、YouTubeの音楽を聴いて50音や挨拶のフレーズに耳慣れるようにしたり、書道を授業に取り入れて日本語や日本文化に親しみを持てるようにしました。

◆ 唯一の在ペッチャブーン日本人との交流会

つい先日は、学期の最後の授業に合わせて、ペッチャブーン在住の日本人YouTuber(川島さん)を授業にご招待しました。赴任前からタイ在住の友人・知人や日本人会などの在タイ日本人の方々を授業に招いて日本語での交流を図りたいと考えていたのですが、如何せんペッチャブーンは交通の便があまり良くなく諦めていました。

そんな中、ペッチャブーン在住の日本人がいらっしゃるとの情報を聞いて、お声をかけさせていただいた次第です。

余談ですが、ペッチャブーン在住の日本人は川島さんお一人だと勝手に思っていたのですが、ペッチャブーン市街地(ムアンペチャブーン)以外には、23人日本人の方がいらっしゃるようです。(川島さん談)

IMG_6998.jpg

最後の授業では、学生の最終課題である「自己紹介」のプレゼンを聞いていただき、質問を1つずつしていただきました。その後は、交流会形式で学生に川島さんへの質問を考えさせて、日本語で川島さんとQAを繰り返して実際に日本語を話す体験をしてもらいました。

◆ 初級日本語xITC のちから = 話せる!

授業で学んだ内容をベースに質問することを期待していたんですが、実際には全く違う内容の質問も多く、私自身としては戸惑いもありました。一方で、しっかり応用が利いているということかなとも感じています。

たった30時間ちょっとの授業でもGoogle翻訳やChatGPTなどのITCを活用すればフェイス to フェイスのコミュニケーションも十分可能であることを学生から教えてもらいました。

人それぞれ言語に対するニーズは異なるものであり、文法ガチガチの頭でっかちの日本語を教えることももちろん必要ですが、日本文化に親しみ、日本人とのコミュニケーションを楽しむ手軽でやさしい学び方もさらに追及していきたいなと思いました。

◆  交流を続けていってもらいたい。

日本語を普通に話す環境がないペッチャブーンにおいて、川島さんには、私の帰国後も大学と係わっていただいて学生と日本語での交流を継続していただければなあと切に願っています。

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