JICA海外協力隊の世界日記

ウズベキスタン便り

運命の扉を開いてくれた微笑み ~ 私とJICAボランティアの物語


執筆:オディルホン・ハサノフ(JICAウズベキスタン事務所スタッフ)


人には、それぞれの人生を導く出会いがあります。

私にとって、それは一人のJICAボランティアとの出会いでした。

私は現在、JICAウズベキスタン事務所で15年以上にわたり、JICAボランティア事業の現地職員として働いています。日本とウズベキスタンをつなぐこの活動に情熱を注ぎ続けてきましたが、その始まりは、ある「偶然」によってもたらされたものでした。

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タシケント経済大学に進学した当時、私はすでに英語が話せたため、自動的に英語のクラスに配属されました。しかし、一ヶ月学んでみて、何かが違うと感じました。「もっと新しい言語に挑戦したい」──そんな思いから、スペイン語のクラスへ移ろうとしましたが、時すでに遅く、受け入れてもらえませんでした。

そのとき、大学に日本人教師が日本語を教えていると聞き、迷わずその教室の扉を開けました。

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そこで出会ったのは、明るくて、美しく、輝くような笑顔の若い女性の先生でした。 「ああ、この瞬間こそが運命なんだ」 そう直感した私は、すぐにそのクラスに入れてもらうようお願いしました。先生は優しく微笑みながら、快く迎え入れてくれました。

その先生こそが、ウズベキスタンに派遣された初めてのJICAボランティア、日本語教師のまき先生でした。 彼女の指導は、丁寧で優しく、時に厳しく、私たち学生をしっかりと導いてくれました。

彼女からは日本語だけでなく、日本の文化、礼儀、価値観、そして「日本人の心」まで教わりました。

当時の私は、日本といえばSONYやTOYOTAくらいしか知らなかったのですが、まき先生のおかげで、まったく新しい世界が目の前に広がりました。そして、いつしか「日本語を使って日本と関わる仕事がしたい」と思うようになったのです。

それから年月が経ち、今、私はJICAボランティアの皆さんを現地でサポートする側の仕事をしています。

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学生時代に出会った一人のボランティアによって、日本語と日本の文化に魅せられ、今ではその経験を生かして、日・ウズベキスタンの架け橋となる活動に携わっているのです。

ボランティア事業は、日本のODAの中でも、特に「日本の心」を表す重要な取り組みです。草の根で人と人をつなぎ、心と心を結ぶこの活動は、数字では測れない深い価値があります。

私はこの素晴らしいプログラムと、すべてのJICAボランティアに心から感謝しています。

私の人生を変え、生きがいを与えてくれたこの出会いに、これからも恩返しを続けていきたいと思います。



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