2026/02/04 Wed
活動
OFCプロリーグについて③(#17 高橋利幸/職種:編集)

OFCプロリーグの第1ラウンド、オークランド遠征から帰国しました。今回も舞台裏の体験を、私の担当業務である「メディア」の視点を中心にお伝えしますね。なんというか、かなりの長文になりそう!
出発前日、我らがバヌアツ・ユナイテッドFCのドイツ人監督とジェネラルマネージャー(GM)が電撃辞任し、国内は大騒ぎになりました。開幕直前に、チームの最高責任者2人が退場したのです。出発前夜に、急いでプレスリリースを出し終え、自宅で出張準備をしていた最中も、新聞社やテレビ局からの問い合わせが鳴りやみませんでした。そして、オークランドに到着して最初の仕事は、新監督とGMの「求人広告」作り。バヌアツの役員とニュージーランドにいる私との間で何度も電話のやり取りを行い、まさに波乱の幕開けとなりました。
到着翌日、ようやく本来のメディア業務が始動しました。まずは、選手一人ひとりの写真撮影です。これはスタジアムの電光掲示板で使用される写真で、プロカメラマンによる、まるでスター選手のような格好いい公式写真。選手にとっても初めての経験で、嬉しそうでした。その後、参加全8チームの監督がそろうプレスカンファレンスが行われ、飛び交うメディアの質問。いよいよ歴史的な大会が始まるなと実感しました。


練習が始まると、各種メディアによる取材が一気に増えました。オセアニア初のプロリーグ開幕ということで、ニュージーランド国内はもちろん、オーストラリア、ドイツ、フランス、さらにはブルガリアからも取材依頼がありました。10社を超える海外のテレビ・ラジオ局と監督・選手をつなぐ対応は、私にとって初めての経験。ドローンを飛ばして撮影するメディアもあれば、地元ラジオ局からは、女性記者が赤ちゃんを連れて現れ、そのままインタビューをしていて驚きました。また、スポンサー関係者も視察に訪れ、その対応にも気を配りました。
オンラインでの取材もありました。アメリカ出身の助っ人選手が活躍した直後には、さっそく本国アメリカからテレビ取材依頼が入り、オンラインで対応することに。ところが、始まる直前、選手がユニフォームを着ていなかったため、取りに戻ってしまいました。彼を待つ10分ほど私一人で、ホストの早口な質問に対応するなど、場をつなぐのが大変でした(汗)。以下はその様子です。

ついに待ちに待った開幕戦です。舞台はオークランドのエデンパーク。同国最大のスタジアムで、ラグビーの聖地として知られています。ラグビーワールドカップ2011では、日本代表もこの地で戦いました。
試合前には、メディア向けのオリエンテーションが実施されました。テレビ中継への映り込みを防ぐため、一度ポジションを決めたら立ち位置を固定すること、指定されたエリアは横切らないことなど、細かな注意事項が説明されました。フィールドでの場所取りも重要で、油断していたら一番よいポジションは他社に取られてしまいました。
以下の写真は、オリエンテーション直後の私と、スタジアムで「ここで撮影したらダメよ」と注意を受けている私の同僚です(笑)。現場ではメディアごとにビブスの色で区別されており、白は写真担当、緑は動画担当。青はOFC公式メディアで、彼は責任者です。


肝心の試合は、これまた波乱の連続でした。初戦、我らがバヌアツ・ユナイテッドFCは、終了間際のロングシュートで同点に追いつき、ドロー。バヌアツ国内は大盛り上がりでした。第2・第3戦では、今大会からOFCで初導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー/試合中の重要な判定を映像で確認し、主審に助言するシステム)の判定に泣かされました。第2戦では、ペナルティエリア内での反則判定でPKを与えられ、第3戦は同点シュートが直前の反則により無効となり、結果的に2連敗。これらのVAR判定は、国内外のメディアやファンの間で大きな議論を呼びました。
表紙の写真は、その幻の同点ゴール直後の様子です。公式記録からは消えてしまい、結局使えなかったこの一枚を、ここで使わせてください!


試合と試合の合間、選手たちは次戦に向けて練習に励み、私は担当業務に奔走していました。担当業務は「メディア&マーケティングコンサルタント」です。情報発信だけでなく、チームの存続に直結するスポンサー探しも大きな業務の一つ。オークランド到着の翌日から、ユニフォームのロゴスポンサーを中心に、25社以上の企業へコンタクトを取りました。練習を撮影する合間に、営業の返信対応を行うなど、集中力の維持というか、もうアドレナリンが出っぱなしでした。
次の監督探しも猶予がありませんでした。第1ラウンド終了からわずか1週間後には第2ラウンドが始まります。それまでにA級ライセンス以上を保持する監督が必要で、世界中から寄せられた問い合わせや履歴書(最終的には100通以上!)への対応に追われました。
そんな状況の中で衝撃的だったのは、監督が一度表明した辞任を撤回したことでした。結果として同じ監督が継続となりましたが、私がマスコミ対応で説明した内容が大々的に報道され、「誰が新しい監督になるのか?」という憶測記事を読みながら、次の監督を知っている立場として、目の前の現実と世間の報道の状況のズレに、不思議な感覚を覚えました。
そして、ドタバタは最後まで続きました。OFCの規定により、準備される遠征費用は、選手20名とスタッフ5名分のみです。しかし今回は総勢22名の選手が参加したため、2名は自己手配という変則的な編成でした。私は、フライト便の関係で帰国が2日遅れたその選手たちに同行するため、チーム本体が去ったあとも現地に残留。バスの手配や、帰りの便の確実な搭乗まで、彼らを無事に送り届けることが、最後の私の任務となりました。

こうして、初めて体験することばかりだったOFCプロリーグの開幕戦を終えることができました。一言で感想を述べると、「遠征は、面白すぎ」。順位表では、やはり優勝候補のオークランドFCが首位に立っていますが、我らがバヌアツも、十分勝てる試合内容でした。メディア面では、13日間でFacebookに51本のコンテンツを投稿し、動画の最大の視聴回数は10万1千回、新たに約4千人のフォロワーを獲得しました。この数が多いか少ないのか、多分まだまだ伸ばせそうです。
今回の出張における最大の目的は、組織の基盤づくり――OFCのメディア担当者と、我がチームに新たに赴任したメディアオフィサーをつなぐこと、そしてマーケティングオフィサーに営業方法を教えることでした。メディア業務についてはスムーズに引き継ぐことができました。また営業面でも、営業先の探し方からアプローチの方法まで、すべてのメールをCCに入れて実務を共有しながら、営業ノウハウを一つずつ説明できました。
そうそう、前回の記事で、「生放送されるFIFA+で、私も探してみてください」と書きましたが、「映ってたよ!」という嬉しい声もいただきました。ありがとうございます。
激戦を終えた選手たちは帰国の翌日には第2ラウンドの地、パプアニューギニアに飛び立ち、これから約4ヵ月の長い遠征が始まります。私のOFCプロリーグ取材はここでいったん終了、次はFIFA女子ワールドカップ2027に向けた取材へと続きます。
最後に、第1試合直後のスタジアムの熱気が伝わる動画で、今回の投稿を締めくくります。動画をぜひ見てください(本当に炎が上がります!)。
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