JICA海外協力隊の世界日記

バヌアツ便り

バヌアツ便り~アラフォー隊員!南の島でサーフィン武者修行~!

Glad blong mitim yu! (初めまして!の現地公用語ビスラマ語)

シェファ州教育事務所に所属する島田裕基です。20245月にバヌアツへ着任し、気づけば110か月が経ちました。

着任当初、活動終わりは毎日ナカマルへ行き、カヴァを飲み、語り合う日々。休日は、フランスやニューカレドニアなど他国のボランティアと時間を共にする日々を送っていました。異文化の中で生活し、多様な価値観に触れる時間は、私にとって、新鮮で、刺激的で、かけがえのないものでした。

しかし今、活動以外の時間は―――サーフィン一色です。

きっかけは、20252月頃。

Pango地区のバヌアツの友達に「サーフィンしてみるか?」と声をかけられたことでした。その何気ない一言が、まさかここまで人生を揺さぶるとは思ってもいませんでした。


群馬県出身、海のない土地で育った私は、幼い頃から海に強い憧れを抱いていました。その憧れの海が、今、目の前に広がっている。その環境に背中を押されるように、私はボードを抱えて海へ入りました。

最初は、波の乗り方も分からず、ただ翻弄されるだけ。悔しさばかりが募りました。

ローカルのピキニニ(子どもたち)や“レジェンド”と呼ばれるベテランサーファーたちの姿を見て、必死に学びました。

そして初めて波を横に走れた瞬間。

あの数秒間の景色は、今も鮮明に焼き付いています。

水しぶき、加速するボード、頬をかすめる風。

世界が一気に広がった感覚。


頭オーバーの波に挑むとき。恐怖と興奮が入り混じり、全身の感覚が研ぎ澄まされます。

言葉にするなら、「生きている」という実感。自然に対する畏敬と、自分の小ささを知る瞬間でもあります。それでも波に乗れた瞬間、胸の奥から込み上げる高揚感。まさに脳汁が止まらないとは、このことです。


私のボランティア活動は、シェファ州内の学校を巡回し、学校保健を指導することです。Pango地区の学校にも訪問しています。

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放課後になると生徒たちは海へ向かいます。

気づけば、私もその輪の中にいました。



一緒に波を追いかけ、転び、笑い合ううちに、距離は一気に縮まりました。


YUKI!」

満面の笑みで呼ばれるその声が、今では何よりの宝物です。

時には彼らが私の先生となり、波の乗り方を教えてくれます。サーフィンを通して距離が縮まり、信頼関係が生まれました。顔なじみのピキニニ(子どもたち)が増えたことで、学校での活動もより円滑になっています。


海でつながった信頼が、教室での対話を深くする。

25.jpg7.jpgサーフィンは、私にとって最高の異文化交流ツールです。

私の日課は、サーフィンから始まります。

早い日は朝4時半に起床。5時には海へ入り、そのまま出勤します。


昇る朝日。

波を見つめる友達たち。

静まり返った海。

波の音だけが響く世界。


朝日を拝みながら波に乗る時間は、言葉にできないほど神聖で、贅沢です。心も体もリフレッシュされた状態で一日を始められる。これ以上ない最高の朝です。

Pangoの海では、自然の壮大さを間近に感じることができます。

波待ちをしていると、全長3メートルほどのジュゴンが真下や真横にいたり、数十匹のイルカの群れが目の前に現れたりすることもあります。

人間もまた、まるで自然の一部になったかのような瞬間です。


さらにPangoには、世界中から美男美女のサーファーが集まります。

海の上で始まる英会話。

波をきっかけに生まれる国境を越えた交流。

サーフィンの魅力は何か。


大自然との一体感。

圧倒的な爽快感と達成感。

海の上で「無」になれる時間。

そして、心と身体を根底からリフレッシュさせてくれる力。

心身が整い、また新たな気持ちで、活動に向き合うことができます。

バヌアツでの生活は、私に新しい価値観を教えてくれます。

活動だけでなく、生き方そのものを見つめ直す時間を与えてくれています。

バヌアツに来た当初、私は「支援する側」としてここに立っていると思っていました。けれど今は違います。

この海に、この子どもたちに、この土地の人々に、私は多くを与えられています。



波は、誰に対しても平等です。

国籍も立場も関係なく、ただ挑む者を受け入れます。


サーフィンを通して、私は異文化交流の本質を学んでいるのかもしれません。

言葉が通じなくても、同じ波を分かち合えば、心は通じる。

海のない群馬で育った私が、今、南太平洋の海で波に乗っている。

人生は、本当に不思議で、美しい。


このご縁と出会いに感謝しながら、残りの任期も、活動とサーフィンの両方に全力で向き合っていきたいと思います。

Tankyu tumas.

この国、この海、そして出会ってくれたすべての人たちへ


心からの感謝を込めて。



バヌアツで出会った友人たち

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Pangoの海と村の子どもたち

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島田裕基(2023年度4次隊 /青少年活動)



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