JICA海外協力隊の世界日記

ベトナム便り

♯22配属先の様子②

Xin chào mọi người!!!(皆さん、こんにちは!)

ベトナムの林です。 ~「障害児・者支援」分野~

 前回に引き続き、配属先の細かい様子はお伝えしていなかったため、ご紹介したいと思います。

朝の活動時間(1時間程度)は2つのグループに分かれて実施しています。今回は、もう1つのグループが行っている主な活動をご紹介します。

【活動①:モップがけ】

ベトナムでは、ほうきでゴミを取った後に、モップで水拭きをする掃除方法が一般的です。そのため、その活動の一部を子どもが行っています。ほうきはほうきとちりとりの両手を別々の動きをしなければいけなく、扇風機を使用している期間も長く難易度が高いため、スタッフが行うことが多いです。モップは両手を同じ動きで行うため難易度が低いため、子どもでもやりやすい活動になっています。スタッフがサポートしながらモップで2階と階段の床拭きを行っています。基本的に2,3名の子どもが交代して行っています。

【活動②:昼寝準備】

 昼食後昼寝をするため、事前に昼寝用コットを準備します。子どもたちも毎日行う活動のためほとんどの子どもが自立して行うことができるようになっています。昼寝が終わった後の片づけも自立して行っています。

【活動③:遊び】

 2階で過ごす子どもの多くが、前回の活動に参加が難しい子どものため、まだ家事を行うことが難しいです。従って、遊びを行っていることが多いです。施設にあるおもちゃを出して、おもちゃで遊んで過ごしたり、子どもに遊び方を教えたりしています。

上記の活動に私はほとんど対応していないため、まだ活動のサポートや提案ができていないため、これから提案していきたいと思っています。

(写真:モップがけと昼寝の様子)

【全体活動:瞑想】

 朝の活動後、全員で15~20分程度瞑想を行います。配属先で瞑想は子どもが落ち着いて過ごすための時間として、大切にされています。しかし、配属された直後は落ち着いて過ごす子どもが少なく、子どもが瞑想の時間に癇癪を起こすこともしばしばありました。そのため、私は2つの提案を行いました。提案の1つ目は、特定の子どものこだわりに対するサポートです。その子どもはこだわりが多く、瞑想時には大きなこだわりが2つありました。1つは、瞑想の際に座るマットの向きです。以前は、本人の好まない向きにマットが敷いてある時に癇癪が起き、スタッフがそれを叱るという対応をしていましたが、現在は私が確認し、マットの向きをいつも同じ方向で行うようにすることで、このこだわりに対する癇癪が0になり、他のスタッフも向きが違う時に直してくれるようになりました。2つ目は、瞑想音楽についてです。以前は、瞑想の音楽を鳴らした途端に癇癪が起こることが多く、その際にリモコンを奪う行動があったため、その前後の環境の変化を振り返った所、スタッフが音楽をランダムに変えており、特定の音楽の時に癇癪になることが多いことが分かりました。そのため、音楽を流す時に私が本人の手を取って一緒に本人がその音楽を選ぶようにサポートしました。そうすると、癇癪が一切なくなり落ち着いて瞑想の時間を過ごすことができるようになりました。また、スタッフも今は音楽を流す時に私にリモコンを渡してくれるようになりました。

 提案の2つ目は、多動な子どもに対する子どもの対応です。瞑想の目的は落ち着いてじっとして過ごすことですが、それが難しいのが現状です。そのため、多動の子どもが途中で立ち上がると先生が叱るという悪循環が起きていました。そのため、特によく動いてしまう子どもの隣にいつも座るようにして、子どもが座っている時に子どもの背中をさすったり、背中をトントン叩いて刺激を入れ続けるようにしました。そうすると子どもの立ち歩きがなくなり、先生に叱られることがなくなり落ち着いて過ごすことができるようになりました。

(写真:瞑想の様子)

いかがだったでしょうか?日本では、子どもの困った行動があった際に、活動の必要性自体を議論したりしますが、以前から施設に根付いている活動が多いため、その活動を「なくす・変える」のではなく、配属先のスタッフや想いを尊重して、その活動をいかに子どもが「できる」に変えていくかという考えを大切にしています。次回も配属先の活動をご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 Hn gp li nhé!!!(またお会いましょう!)

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