JICA海外協力隊の世界日記

ベトナム便り

理学療法士 / 活動報告 ~ラオカイ省老年リハビリテーション病院での1年を振り返って~

■ベトナム北西部 ラオカイ省より

JICA海外協力隊の世界日記をご覧になってくださっている皆様、こんにちは。

ベトナム北西部、中国雲南省と国境隣接するラオカイ省にあります、ラオカイ省老年リハビリテーション病院で理学療法士として活動中の河合です。

配属先での活動がスタートし、早くも1年が経過しました。任期も残り1年を切り、生涯忘れられないであろう経験や数々の失敗を踏まえながら、今後、患者様や配属先、そしてラオカイ省の地域住民の皆様に対して、少しでも貢献につながる活動とは何だろうと自問自答しながら過ごしております。

この1年間の活動を振り返りながら、感じたことや今後への思いなどをお伝えできたらと思います。

この1年を振り返って -最も難渋したこと、そして支えとなったものは-

この1年間の活動で最も難渋したことは、職域や専門的背景の異なるベトナム人同僚と日本人理学療法士が、それぞれ異なる医療制度や臨床的思考を持つ中で、どのように相互理解を深め、情報共有を行っていくかという点でした。

ベトナムにおけるリハビリテーションは、長年にわたり伝統医療科を基盤として発展してきました。しかし近年では、「伝統医療を主体としたリハビリテーション」から、「より専門性を重視したリハビリテーション」へと移行する過渡期を迎えています。また、国内における地域間格差の影響もあり、地方では都市部と比較して最新の知識や情報が十分に行き渡っていない、また普及の遅れなども見受けられます。

そのような背景の中で、日本や諸外国の介入方法や臨床的思考となると、ベトナム人同僚にとっては戸惑いや違和感を伴うものが多く、必ずしも受け入れやすいものではなかったと思われます。

このような状況の中でも、以下の3つを常に意識して活動に取り組みました。

①配属先や同僚のニーズに寄り添った活動を心掛け、外国人である私の一方的な考えや自己満足に陥らないこと

現場の実情や文化を理解する

小さな活動を地道に積み重ねる

、、、、とはいえ、このようなもっともらしい事を述べてはおりますが....

未熟な自分ゆえに、幾度となく音を上げ、感情の波に飲み込まれてしまったのも事実です。

そのたびに支えとなったものは、世界各国で活動中のJICA隊員仲間やOVの方々、JICA事務所ボランティア調整員の皆様、日本でお世話になっている指導者や先輩、仲間、変わらず支えてくれる友人たち....

そして何より、日々の活動に関心を寄せ温かく受け入れてくださっている配属先の同僚や患者様の存在でした。

皆様からいただいたアドバイスや励ましのおかげで、今日まで活動を続けることができております。感謝の気持ちは言葉では表し尽くせません。

残りの任期に向けて

現在は、日々の臨床活動や不定期に開催している院内専門勉強会に加え、病院計画部との共同企画、同僚とのミニカンファレンスの実施、さらには院内日本語講座の開催依頼をいただくなど、活動の幅が少しずつ広がりつつあります。

また、配属先は今年から新たにベトナムの高齢化対策の一環として、老年医学、高齢者リハビリテーション、高齢者ケアの役割が新たに加わりました。この分野においては、日本人として何か貢献できることはないかと考え、これまであまり交流の機会がなかった他部門の同僚とも積極的にコミュニケーションを図っているところです。

振り返れば、この1年は失敗の連続ばかりでした。しかし、そこから見えてきた課題を今後の糧とし、これまで以上に柔軟な姿勢で、患者様や配属先、ラオカイ省の地域の皆様に少しでも貢献できるよう、活動を展開していきたいと考えています。

今後は活動の紹介だけではなく、日本ではまだあまり知られていないであろう「ラオカイ省」についてもご紹介できたらと考えております。

それでは、最後までJICA海外協力隊世界日記「ベトナム便り」をお読みいただき、ありがとうございました。

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