2025/02/11 Tue
イベント 文化
♯15 ベトナムの旧正月(テト)②


Xin chào mọi người!!!(皆さん、こんにちは!)そして、Chúc mừng năm mới!!!(明けましておめでとうございます!)
ベトナムの林です。ベトナムでは2025年1月29日が旧正月(テト)となっており、前回はテト前の様子をお伝えしましたが、今回はテト中の様子をお伝えしたいと思います!
【テトで食べる食事】
テトで食べるものと言えば「バインチュン(Bánh chưng)」と、ベトナム人皆が口を揃えて言います。
バインチュンとは、ベトナムの伝統的な「ちまき」のことで、材料はもち米・緑豆・豚肉の3種類と非常にシンプルで、味付けも豚肉に少し塩コショウを振る程度で素材本来の味がします。これをラーゾン(Lá dong)などの葉に包んで10時間以上茹でたものを指します。バインチュンは、先祖への感謝を示す意味が込められており、テト以外にも、ベトナム建国の祖であるフン王の命日など、お祝いの時にこのバインチュンを作ることもあるそうです。
バインチュンの形は四角く、茹でた時に葉の色が染み出すため、表面は緑色になります。この緑は「大地」を表しており、もち米は田んぼから採れたもので、バインチュンに使う緑豆は綺麗な緑色をした体に良い食べ物です。つまりバインチュンとは、ベトナムの土地や文化(農耕)を想い、先祖代々の家族に感謝することを意味し、日本のおせち料理のように意味や願いが込められた食べ物となっています。。
私も旧正月の際にバインチュンを作りましたが、材料は非常にシンプルなものの、葉で包む工程がとても難しく、悪戦苦闘しながら作りました。
(写真:バインチュン作りの様子、バインチュン作りを体験させてくださった少数民族「タイ族」のバインチュンは、四角ではなく、丸いそうで丸い形で作りました)
【カウントダウンの様子】
テト当日は、北部イエンバイ省のギアローという町で、他の隊員とベトナムのテトを体験しました。テト前日(大晦日)にバインチュンを作った後に、ギアローで活動している他隊員の近所の家にお邪魔して豪華なお食事を頂きました。その後、村の中心地のカウントダウンイベントに行くと、テトで都会から村に帰ってきた若者を中心に町が人だらけになり、新年の瞬間を迎えました。カウントダウン後花火が15分程度上がって終わりましたが、街の至る所で爆竹や花火を上げる人もおり、にぎやかに新年を祝っていました。
その後、隊員の家に行くと、隊員の家の大家さんが声を掛けて下さって、近所の皆さんと一緒に新年を祝う乾杯に混ざり、各家を回りました。深夜だったため私たちは途中で宿泊場所に戻りましたが、近所の皆さんはまだ家を回り続けており、ベトナムの皆さんにとってテトを迎えた喜びを少しだけですが一緒に感じることができました。
(下記写真上部:上部2枚:カウントダウンイベントの様子、下部:新年の乾杯の様子)


【テト当日の様子】
一夜明けて昼前に再度隊員の家に行くと、テトには親戚の家族や知り合いの家族に「挨拶まわり」をする習慣があるため、車で大家さんの親戚の家を一緒に回らせて頂きました。日本のお正月が「お休み」という意味と違い、ベトナムでは「家族と過ごす時間」と考えられているためです。
ベトナムの家屋では、どの家でも入口を開けるとすぐに広い空間があり、そこが客間となっており、すぐにお茶セットの用意されている大きな木の机と椅子が置いてあり、そこでお客をもてなします。飴やお菓子やひまわりの種などの多彩なつまみを食べて、お酒を飲みながらひとしきりおしゃべりして、また次の家に向かいます。普段はお茶が一般的ですが、新年ではお酒、特にめでたい色である「赤ワイン」が好まれており、赤ワインを中心に乾杯をします。
皆様いかがでしたでしょうか?ベトナムのテト文化を初めて体験することができ、私にとってとても思い出深いテトとなりました。テト明けに職場に行くと、「テトは楽しめた?」と同僚の皆が聞いてくるので、「楽しかった」と言うととても嬉しそうにしてくれました。ベトナム人にとってテトはとても大切なので、その文化を理解することで、ベトナム人との心の距離が近くなるなと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Hẹn gặp lại nhé!!!(またお会いましょう!)
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