2026/03/19 Thu
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ザンビア黄色いベンチプロジェクト

こんにちは。ザンビアのクリニックで活動している丸茂です。今回は、日本とザンビアのコラボレーションによって実現した「ザンビア黄色いベンチプロジェクト」についてご紹介します。
群馬県前橋市の地域包括支援センター桂萱を発祥とする、黄色く塗られた「幸せのベンチ」は、地域づくりの一環として、高齢者をはじめとする地域住民が安心して地域で過ごせるよう、日本国内各地に設置されています。
私が活動しているザンビアのクリニックは小規模な施設でありながら、外来診療に加え、乳幼児健診や妊婦健診などのために多くの地域住民が利用しています。しかし、待合室はもちろん、ベンチなどの設備もほとんど整っておらず、利用者は立ったまま、あるいは地面に座って看護師のヘルストークを聞いたり、数時間に及ぶ待ち時間を過ごさざるを得ない状況でした。
遠方の農村部から長い距離を歩いてクリニックを訪れたにもかかわらず、不快な待ち時間などを理由に受診をためらい、クリニックの利用を避けてしまう住民もいると聞いています。実際に、クリニック内のミーティングでも、施設環境の改善のためベンチの数を増やしたいという声がたびたび挙がっていました。
そこで、「幸せのベンチ」がザンビアにも設置されたら、クリニックの質の向上や地域の人々の居場所づくりにつながるのではないかと考え、日本側のプロジェクトチームへ提案しました。その趣旨に深く共感していただき、本プロジェクトが始動しました。

対面やオンラインでのプレゼンテーションを重ね、寄付団体としてロータリークラブ前橋東様よりご支援をいただいたほか、ザンビアで活動するロータリークラブルサカセントラル様にもご協力をいただき、日本とザンビアをつなぐ共同プロジェクトとして実現することができました。
ベンチの製作にあたっては、現地で信頼できる大工の選定や価格交渉を、クリニックスタッフと協力しながら進め、12月に無事10台のベンチが完成しました。また、日本でのプロジェクトと同様に地域参加を促すため、クリニックの青少年たちとともにベンチの色塗りを行いました。
完成したベンチのうち5台には、青少年たちがそれぞれの想いを込めたメッセージを書き込み、地域の人々に寄り添う特別なベンチとなりました。


1月30日には、ベンチの寄贈式にあわせ、日本でも開催されている「イエローフェスタ in ザンビア」を実施しました。当日は、ロータリークラブルサカセントラルの会長が首都から7時間かけてクリニックまで駆けつけてくださったほか、保健局員や、急遽地方行政長官も参加されるなど、多くの来賓を迎えての開催となりました。
イベントは、青少年たちによる伝統的なダンスや若年妊娠をテーマにしたポエムの発表から始まり、ベンチ寄贈式、来賓によるスピーチへと続きました。最後には、日本からザンビアを訪問中だったゴスペルクワイアーによる歌の披露が行われ、会場は大きな盛り上がりに包まれました。
また、当日は現地のラジオ局も招待し、SNSでライブ配信が行われたことで、日本からも多くの方々が視聴し、温かい応援の声が寄せられました。
ザンビアにおいて、依存を生まない「支援」の在り方について日々葛藤しながら取り組んできた本プロジェクトですが、2年間にわたり現地で地域の人々とともに生活し、活動してきたからこそ見えてきた課題が、日本のプロジェクトのコンセプトと重なり、日本とザンビアの新たな交流を生み出す貴重な機会になったと感じています。
また、イエローフェスタでは、クリニックのスタッフが主体的にイベントの準備や運営に取り組む姿が見られました。さらに、彼らが支援者と直接顔を合わせ、感謝の気持ちを伝える機会をつくることができたことにも、「受け身」にとどまらない本プロジェクトの意義を感じています。
ベンチが人々の交流の場となり、情報交換や新たな知識に触れる機会を生み出すことで、地域全体の健康づくりと医療の発展につながっていくことを願っています。
多くの方々に支えられながら本プロジェクトに携わることができたことに、心より感謝しています。


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