JICA海外協力隊の世界日記

ジンバブエ便り

地味だけど、なぜかじわじわ好きになってしまう街

こんにちは。2025年1次隊の井口です。

本日記では、任地である

「地味だけど、なぜかじわじわ好きになってしまう街」

グウェルをご紹介します。

グウェルはジンバブエのほぼ中央に位置する、国内第三の都市です。地理的にはまさに“ど真ん中”

そのためか、国内の移動ではよく通るけれど、目的地としては少し控えめに扱われがちな、いわば「縁の下の力持ち」的存在です。

そして、特筆すべきは冬の寒さ。アフリカと聞いて常夏を想像すると、良い意味で裏切られます。南半球では冬となる6月から8月にかけては、国内でも最も冷え込む地域の一つです。街がジンバブエ中央を走る分水嶺の頂上付近に位置し、風を遮るものが少ないため、放射冷却の影響を強く受けるからだと言われています。まだ、冬を体験したことがないですが、私の所属するサッカーチームの選手たちから、気温が一桁になるのは当たり前で、氷点下になることもあるそうです。冬を体験したら思わず「ここは本当にアフリカか」と思ってしまうと思います。

また、街にはローデシア時代の建物もいくつか残り、東側にある美しいステンドグラスや優雅な石造りの装飾が特徴のセント・テリーザ大聖堂や、街の中心にある鮮やかな色使いが印象的な時計台は、グウェルらしい景色をつくっています。

派手すぎず、それでいてきちんと存在感がある。その佇まいがとても気に入っています。

規模は大きくありませんが、生活に必要なものは一通り揃い、美味しい食事を楽しめるお店もあります。少し足を延ばせば、私設の動物公園アンテロープパークがあり、ゲームサファリを体験したり、ライオンやゾウと触れ合うこともできます。

活動先であるミッドランズ州立大学は街から約10キロ離れた場所にあり、広大な敷地を有しています。キャンパス内では農学系の学部が飼育している牛がのんびりキャンパス内を歩き、猿が木々の間を移動する姿も見られます。自然と共に学ぶ環境は、都市部の大学とはまた違った魅力があると思います。

そんなグウェルに暮らしていると、出身地である静岡県島田市との共通点を感じます。島田市も静岡県のほぼ中央に位置する街です。

実写版「きかんしゃトーマス号」が走り、世界一長い木造歩道橋として知られる蓬莱橋があるなど、誇れる魅力を持っています。ただ、多くの人にとっては「用事があれば訪れる街」という立ち位置かもしれません。

グウェルも同じような捉えられ方をしている感じます。ハラレとブラワヨを行き来する途中にある街。しかし、通過点でありながら、確かに人の営みがあり、日常があり、温かさがあります。

正直に言うと、街を売り出すキャッチコピーを考えるとき、つい控えめな表現になってしまいますが、それも含めてどこか親しみが湧く街です。派手な観光都市ではありませんが、暮らしてみると、のんびりとしていて、人との距離が近く、安心感があります。街中を歩いていると、誰かしら知り合いに会う。そんな空気に、どこか懐かしさを覚えます。

もしかすると、グウェルには、かつての日本の地方都市が持っていたような、人と人との近さが今も息づいているのかもしれません。

ジンバブエを訪れる際は、ハラレやブラワヨ、ビクトリアフォールズといった大きい都市や観光地が目的地になるかと思います。その道中で、ふと目に入る街並みがあれば、それがグウェルかもしれません。もし時間があれば、ほんの少し足を止めてみてください。

きっと、静かな魅力に気づいていただけると思います。

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