JICA海外協力隊の世界日記

カメルーン男子の 今日の1ページ

カメルーン料理・食文化 ~Cuisine Camerounaise~

Bonjour à tous! 皆様こんにちは。カメルーンはナンガエボコに赴任している美淋です。

 カメルーン料理は私の生活に非常に身近なものとなっています。時に地元住民の友人と一緒に作って食べたり、時に活動の合間に屋台で食べたり、活動後に同僚や上司とレストランで食べています。

ただ、実際にはそれは非常に多種多様で、多数の民族や各地域の伝統によって異なることもある為、一概に「カメルーン料理」と括って食文化を語ることは難しいかもしれません。

したがって今回は個人的に代表的な「カメルーン料理」だと思う5つ「主食」と6つの「副食(おかず)」を紹介できればと思います。

主食編

  1. フフ(クスクスマニョック): Fufu (Couscous de manioc)
  2. クスクスマイース: Couscous de maïs
  3. プランタン(プランテン、プランテイン) : Plantain
  4. バトン・マニョック : Bâton de manioc
  5. ベニエ: Beignet / ベニエ・アリコ: Beignets et Haricots

副食編

  1. ンドレ: Ndolé
  2. エロ(エル): Eru
  3. ポワソンブレゼ: Poisson Blaisé
  4. ソース・ド・◯◯◯(ゴンボ、トマト、アラシード): Sauce de (Gombo, Tomate, d'Arachide)
  5. メ・ド・ピスタシュ: Mets de Pistache
  6. ソヤ: Soya

カメルーンの郷土料理 (主食編)


 カメルーンではパンやパスタ、実は米類も広く食べられていますが、生活してみて驚いたのがその「主食」のバリエーションの豊富さです。まずは代表的な5つの主食をご紹介します。

1.フフ(クスクスマニョック): Fufu (Couscous de manioc)

 「クスクス」というと小麦粉原料の世界最小のパスタを想像する方も多いと思われますが、カメルーンのそれは原料が異なっています。主にキャッサバを製粉して湯で練ったもので、中・西部アフリカ地域で伝統的な主食として広く食されています。見た目や食感はお餅に似ています。トマトやオクラ、ピーナッツをスパイスや塩胡椒でソース状にしたものにクスクスを手でちぎってつけて食べます。

クスクスマニョックを練り上げる様子

2.クスクスマイース: Couscous de maïs

 こちらはトウモロコシ(maïs) を製粉して1.と同様の調理方法で作るクスクスです。こちらもサブサハラ地域のアフリカで広く食されており、ウガリやンシマ等、各地で呼称があります。クスクスはどちらもお湯は完全に目分量で、各家庭やお店の色が出るところが面白いです。

  クスクスマイースをオクラソースと食べる様子

3.プランタン(プランテン、プランテイン) : Plantain

 簡単に言うと調理用バナナです。日本で食べられているバナナとは全く異なり生食だと、固く、味も薄く、寧ろ芋類に近いようなものです。このプランタンはカメルーンでは、蒸す・焼く・茹でる・揚げるという加熱を経て甘味が現れます。また、薄切りにしてバナナチップスのような軽食も散見します。

焼きプランタン.jpgのサムネイル画像

トマトソースのかかった焼き魚と一緒に食べられる焼きプランタン

4.バトン・マニョック : Bâton de manioc

 固いお餅のような食感、独特な匂いとほんのり酸味がある癖のある食べ物です。見た目は、ちまきのようですが完全に異なります。キャッサバを製粉し、丸めて発酵させ、擦り潰してバナナの葉に包んで棒状に縛って、煮て出来上がります。同じカメルーンのJICA海外協力隊員でもこれにハマり、焼き魚(Poisson blaisé) にはこれしかないと言う人が殆どではないでしょうか。

レストランで焼き魚と一緒に食べるバトンマニョック.jpg

焼き魚に相性抜群のバトンマニョック

5.ベニエ: Beignet / ベニエ・アリコ: Beignets et Haricots

 ベニエとはフランス語で「揚げた生地」を意味します。カメルーンの食卓ではお豆(アリコ:haricot)が欠かせません。それに合わせて食べられているのがベニエという小麦粉を丸めて揚げたものです。アリコの塩味と揚げたてベニエがよくマッチしています。砂糖を加えてスイーツのように食べられていることもあり、ドーナツやサーターアンダギーのようなもの、バナナと混ぜてもっちりさせたもの等、定番のおやつでもあります。

朝食で大人気のベニエアリコ.jpg

朝食で大人気のベニエアリコ

カメルーンの郷土料理 (副食編)


 カメルーン料理の傾向として個人的に日本と比較すると塩・スパイス・油の量が多いです。その為に胸焼けを起こす人もたまにいますが、コンソメの味(マギー: ネスレ製)が染み込んでいたり、油が乳化していてまろやかになっていることもあり、しっかり味のついたカメ食は、汗だくだくになって働いた後に食べると非常に身体に沁みます。

1.ンドレ: Ndolé

 「カメルーン料理」と言えば必ず出てくるのはこの料理と言っていいほど、カメルーンの国民食です。ほうれん草のような「ンドレ」という葉物野菜を塩を加えた湯で煮て苦味を飛ばした後、それを砕いたピーナッツとスパイス、油を加えたペースト、そして、肉か魚かエビを加えて完成します。

個人的にはエビ入りのニンニクの効いた、適度に苦味があるンドレが大好きです。プランタンか米と食べられることが多いと感じています。ページトップ画像の4つの小鉢の1番左下がンドレです。

んどれ.jpg

2.エロ(エル): Eru

 ンドレに次いで伝統的な料理です。エロ(エル)という葉物野菜をンドレと同じような手順で調理します。ンドレより少々噛みごたえがあり、茶葉のような食感です。これもまた独特の苦味があります。マニョック(キャッサバ)を調理したもの(例: バトン・マニョック、クスクス、茹でマニョック)と絶妙に合います!

ページトップ画像の4つの小鉢の1番右がエロ(エル)です。

エロ.jpg

3.ポワソンブレゼ: Poisson Blaisé

 日本でいうと柚子胡椒のようなソースをかけて、魚を炭火でパリッと焼いたものです。このソースと付け合せの野菜、バトン・マニョックと炭火焼きで香ばしい魚の組み合わせが最高です!味に癖があり過ぎるということもなく、カメルーンに来たばかりの日本人でも食べやすいと思います。魚の種類としては、鯵や鯛のような魚、ティラピアやナマズなど多岐に渡ります。

 また私はこのソースをチキンにかけて炭火で焼くプレブレゼ(Poulet Blaisé)も大好きです。

ポワソンブレゼ.jpg

4.ソース・ド・◯◯◯(ゴンボ、トマト、アラシード): Sauce de (Gombo, Tomate, d'Arachide)

 カメルーンではソース、スープを調理してそれを肉や魚、マニョックやプランタンにかけて食べることがあります。今回は代表的な3つを紹介します。家庭や店舗によって全く味が異なる点で、多くの楽しみ方があります。

4-1.ソース・ド・ゴンボ: Sauce de Gombo

 ゴンボとは仏語でオクラの意でつまり「オクラソース」です。オクラを細かく砕き、ネギやハーブ等の調味野菜に、カメルーンで馴染み深いコンソメ(マギー)や塩、油の調味料を加えて煮込んで完成です。

下の写真は焼き魚にソースドゴンボをかけた豪華なものですが、ソースドゴンボのみと主食で食べることも多くあり、個人的にはフフ(クスクスマニョック)と食べられていることを多く見かけます。ページトップ画像の右から2つ目の小鉢がソースドゴンボです。

ソースドゴンボ.jpg

4-2.ソース・ド・トマト: Sauce de Tomate

 これは「トマトソース」です。他のソースド◯◯と同様、トマトに調味野菜、スパイス、油を加えて煮込んだものです。ソースドゴンボとの違いは、トマトとオクラ以外にも、加えられる唐辛子(Piment)です。家庭や店舗、個人の好みによって量は異なりますが、日本人の感覚からすると辛い傾向にあります。

 以下の画像は、キャッサバとプランタンを茹でたものにソースドトマトを加えた料理です。お米にかけることもあります。ページトップ画像の左から2つ目の小鉢がソースドトマトです。

ソースドトマト.jpg

4-3.ソース・ダラシード: Sauce d'Arachide

 「ピーナッツソース」です。大量の落花生を砕き、調味料、コンソメ(マギー)、油、唐辛子を加えて煮込んだものです。これも辛い傾向にありお米と食べられることが多いため、初めて食べた時は、学生の頃にラーメンの残り汁に追い飯をして食べたことが彷彿とされました。

ソースダラシード.jpg

5.メ・ド・ピスタシュ: Mets de Pistache (現地語: Nnam Ngon, Nkôno ngond)

 仏語で「ピスタチオ料理」を意味しています。あくまで「ピスタチオ」として現地で呼ばれているだけで、日本で知られているようなピスタチオとはまた異なり、アフリカ原産のウリ科の植物の種を用います。その種を細かく砕き、コンソメ(マギー)、塩胡椒、唐辛子、ニンニク、肉や魚を加えて混ぜ、休めた後に卵を加えて更に混ぜ、バナナの葉に包んで蒸し上げます。

 塩やコンソメ(マギー)の味が非常に強く、以下の画像のように蒸しプランタン等との組み合わせが絶妙です!一汗かいた後、この料理は身体に沁みますね。

メドピスタシュ.jpg

6.ソヤ: Soya

 鶏、牛、ヤギ、ヒツジ等の肉にスパイスをまぶし串にさして焼いたもの、つまり串焼き肉です。油とスパイスが多めにかかっているため、お酒のお供によく見られます。肉は地域によってはとても衛生的とは言えない環境で管理・調理されている為に注意する必要がありますが、肉を手軽に食べるにはもってこいと言えるでしょう。

 また、地方農村部では密猟で得た野生動物の肉[ブッシュミート](猿、センザンコウ、ハリネズミ等)が出回っていることも散見される為、肉を食べる前には確認するべきです。

ソヤ.jpgのサムネイル画像


 如何でしたでしょうか?

今回は、個人的に「カメルーン料理」と言えばこれが出るだろうというものを紹介いたしました。

塩・スパイス(特に唐辛子)・油の量が比較的多く驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、美味しい食べ物がたくさんあり、独特なカメルーンの食文化は魅力あふれています!カメルーンに訪問された際には良ければ参考にしてみてください。

Bon appétit! (召し上がれ!) / Bonne dégustation! (どうぞお召し上がりください!)

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