JICA海外協力隊の世界日記

中国最後の協力隊

隔離生活を支える人たち

こんにちは。貴州省岑巩県派遣、日本語教育の藤縄です。

ホテルは一つの巨大生命体だなと、思うことがあります。
日々、食材や備品などが運び込まれ、出され、中では常に誰かが活動しています。

私の隔離生活もおそらく同様で、ではどんな人に支えられているのかしらと思いまして、
手始めに食事がどんな風に運ばれてくるのか、ドアスコープを覗いて見ました。

廊下には、銀色の台車を引いた防護服姿の一人の女性。
居室の人数に合わせ、台車からお弁当をとり部屋の前に配布しています。
ワンフロアすべてに配り終わると、そそくさと引き返してきます。

その際、各居室のチャイムを押しながら、迅速に去っていきます。
どういう違いなのかはわかりませんが、ノックの場合もあります。

いつも私が食事を受け取る際、廊下にスタッフの姿はすでにありません。
接触が起きないよう徹底されています。

居室のドア内側には
万一、被隔離者が居室から出た場合、
隔離期間のリセット、公安への出頭、民事あるいは刑事責任を追求されます
と書かれたシールが貼ってあります。

なんとなく恐ろしいので、
私はドアの隙間から腕だけを伸ばしお弁当を受け取ることにしています。
昔読んだ「手袋を買いに」という絵本を思い出します。

食事は写真のような状態で配られます。
このまま食べてもいいのですが、少しでも日常の食卓に近づくよう味噌汁をつけたり、
日本から持参した食品で味に変化をつけてみたりして
行動が制限される隔離期間中にホッとできる手段を模索しています。

(貴州 日本語教育 藤縄さやか)

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