2019/05/06 Mon
活動
【活動】『祝』国際線就航!!
<ごあいさつ>
Arau Obia Hola!!(地域言語で「I'm hungry… ~腹ペコだよ~」)
今回は我が任地ムンダに国際線が就航した件についてお話します。
<『祝』国際線就航>
2019年3月23日(土)、私の任地であるウェスタン州ムンダの空港に、オーストラリア第3の都市ブリズベンを飛び立ったソロモンエアラインズの飛行機が着陸しました。この日はテストフライトとのことでしたが、口コミで情報を得た多くの地域住民が空港周辺に集まり、街はとても賑やかになりました。地元新聞社もこの「歴史的な着陸」を翌日の一面にとりあげていました。
翌週3月30日(土)より、正式に国際線が就航しており、毎週土曜日のみ、週に1度のペースでブリスベン→ムンダ→ホニアラのルートでフライトが予定されています。
ソロモン諸島としては、首都にあるホニアラ国際空港についで2番目となる国際線が就航する空港となりました。海が綺麗で多くのラグーンがあり、リゾート機能が充実しているウェスタン州において多くの海外観光客が来訪することによる外貨の獲得が期待されています。
<就航準備のために>
国際線の就航に伴い、昨年から森林研究省ムンダ事務所では事前準備のための業務が行われていました。それは「立木損失額の算定業務」です。
これまで小型のセスナ機を中心に離着陸することが多かったムンダ空港において、乗客乗員100名以上が乗る大型の国際線用の旅客機が離着陸するとなると、視距確保などの安全性の観点から、ムンダ空港と隣接する森林の伐採作業が必要となったようです。
以前は地域住民が自由に行き来していた滑走路への立ち入りを制限するため、今から1年半ほど前には空港敷地の周囲を囲うフェンスが設置され、昨年はこのフェンスから約30~60mの範囲内と、滑走路の延長線上約1km以内の森林を基本的には全て伐採する措置が取られました。森林所有者に対する補償額は空港側である政府が支払いますが、立木損失額の算定業務については我々森林研究省が農業畜産省と共同で実施しました。
対象区域には建築資材として使用可能な樹木だけではなく、ココナッツやパパイヤなどの果樹も含まれたため、補償額が支払われるとはいえ住民からは悲しげな声も聞こえたものの、国際線就航による公共の利益を考慮するとやむを得ないこととなったようです。
<歴史的なこと>
第二次世界大戦当時、現在のホニアラ国際空港と同様、ここムンダ空港も当初は旧日本軍が滑走路を造り始めた経緯があります。その後はいずれの空港も米軍に奪取されましたが、戦いの場として多くの飛行機が飛び交っていた当時から70余年を経て、新しい時代を切り開く飛行機が平和裏に就航したことについて、感慨深く思うところです。
<写真の説明>
【写真①】歴史的な着陸(2019.3.23.Sat)
【写真②】空港東側の山頂から撮影したムンダ空港滑走路全景
【写真③】空港敷地外においてアセスメント業務に従事するスタッフら
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