2020/02/17 Mon
文化
【文化】⑰調理燃料探し
今回は「薪の利用」について紹介します。
<薪運び>
首都ホニアラをはじめとして、地方州の主要都市などの一般家庭でも調理用のガスコンロが徐々に普及してきましたが、低所得者世帯の家庭では手が届かない存在であり、未だに薪を使用する人々も少なくありません。
国土面積に対する森林の割合が約78%であるソロモン諸島では、その大半は「慣習地」と呼ばれる私有林が占めているため、地域住民は自ら保有する山林などで薪を集めることにあまり苦慮することはないようです。
しかし、都市部を中心とする急速な人口増加とともに、海外企業による森林伐採が拡大しており、今後も住民レベルでの持続的な森林資源管理が求められています。
<薪が売ってる!!>
ガスコンロが普及してきているとはいえ…大都会である首都ホニアラであっても薪を使う家庭はまだまだある様子。ホニアラの台所「セントラルマーケット」では薪が販売されているくらいです。この日は「一束がSBD25ドル(日本円で約300~350円)」でした。
日本だったら、私の実家でも幼少期には薪ストーブを使っていたものですが、最近ではさすがに少なくなってきているでしょう(メリットも様々あるものの)。むしろ、都会を離れて田舎暮らしに憧れる人々が、海外製の暖炉を購入した別荘で静かに薪をくべて生活する姿が目に浮かんでくることもしばしば…ときにはリッチな情景を想像できてしまうほどでしょうか。
首都では、低所得世帯の人々にとっては未だに薪ストーブでの生活がありえるものの、郊外での土地開発が進むにつれて、あるいは様々な地域からの人々の流入増加などから、「自宅周辺の身近な地域で、容易に薪を採取することが困難になってきている」のかもしれません。
<写真の説明>
【写真①】得意げに薪を運ぶ住民(ウェスタン州ムンダ)
【写真②】薪を使用している風景(ウェスタン州の某ロギングキャンプにて)
【写真③】薪が販売されている様子(首都ホニアラのセントラルマーケット)
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