2020/02/19 Wed
文化
【文化】⑲サゴパームの兄弟:上
今回は「サゴヤシ(Sago palm)」について紹介します。
<サゴヤシって何?>
サゴヤシはヤシ科の植物で、樹木1本当たりから100kgを超える多量のデンプンを蓄積する特徴を持っているため、その利用は主食から燃料用アルコール等まで多岐にわたるとされています。
生育地は東南アジアからオセアニアまで拡がっており、ソロモン諸島でも点在していますが、湿地帯を好む特性から、まとまった林分はそれほど多く存在していないようです。
木部のデンプン利用による食糧資源開発が望まれるほか、これまでにも住宅資材等として葉や樹皮が利用されてきた経緯があるため、資源の循環利用に向けた調査研究活動が引き続き期待されています。
<私との関わり>
いろいろなご縁がありまして、ソロモン諸島に赴任してからの約1年あまりの短い間ではありますが、サゴヤシの調査をゆっくりと続けてきました。国内でのサゴヤシ林の分布情報の収集や利活用を通じた資源管理状況などについて、写真を添えて数点ご紹介します。
<写真の説明>
ウェスタン州ニュージョージア島内にて
【写真①】すっとそびえ立つ立派なサゴヤシ(写真中央)
ソロモン諸島国内では主に3種類ほどが確認
葉は伝統的なリーフハウスの屋根材としても利用
【写真②】伐採したサゴヤシの樹皮を剥がし、内部を削っている最中
白色の木部をスプーンなどで削りとって、その後は水に浸す
【写真③】沈殿した「デンプン」
天日干しなどで乾かしたデンプンは、数か月間も保存可能
練り物などとして料理し、現在でも主食として活用される
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